単身赴任者が五月病にならないためにやるべきこと、なってしまった時にやるべきこと

ゴールデンウィークも間もなく終わりだ。単身赴任の皆さんはどの様に過ごされたであろうか。まとまった休みが取れ、本宅で家族とゆっくり、あるいは家族で旅行に出かけたりして、しばし単身赴任の寂しさを忘れることが出来たかもしれない。

そういう僕はどうだったかというと、僕が勤務する会社(業務用食品の卸売)の性質上まとまった休みを取ることが難しく、土日以外は5月4日の水曜日のみが休みで、大型連休中は単身赴任先で過ごすのを常としている。むしろ売り先が稼ぎ時で忙しいのに仕入れ先は休みという非常に恐ろしい期間で、やっと連休が終わってホッとしているというのが本音である。

ゴールデンウィークが終わるのが怖い

今年の4月から新たに単身赴任を始めたという方にとっては、慣れない環境での仕事も、これまた慣れない一人暮らしも、最初は気が張っていたが、大型連休を機に気の張りも緩み、そろそろ疲れが出てくる時期であろう。何せ新しい環境というのは本当に疲れるものだ。しかしその様な大変な状況でも、「これを乗り切ればもうすぐゴールデンウィークだ」というのが一つの心の拠り所になっていたのではないだろうか。

しかし楽しい時間ほどあっという間に過ぎてしまう。時間というのは無情である。月曜日からはまた単身赴任先に1人で戻り、寂しい生活を送らねばならない。連休直前に勃発した問題を連休明けに対処せねばならず、それを考えると気分は沈むばかり。次の心の拠り所はお盆休みか、でもまだ3ヶ月以上も先だし、これから何を目標に頑張っていけばいいというのかと、もう居ても立っても居られない様な心のざわつきを覚えている方もいるかもしれない。

五月病とは何か

そのような落ち込みがちな気分で迎えた5月の連休明けに、

  • 体調が悪い
  • だるい
  • やる気が出ない
  • 訳もなく不安になる
  • 夜眠れない
  • 朝起きられない

といった体調の不調を訴える人が増加する。そう、「五月病」である。

五月病という正式な医学用語はなく、医学的には「適応障害」「抑うつ状態」などと診断される。要するにうつの入り口である。決して侮れない。元々は新生活を始めた大学生や新社会人に多く見られ名付けられた症状であるが、同じく環境がガラッと変わる単身赴任者にも十分起こりうる。この五月病、社会人の実に4人に1人が経験があるという調査結果もあり、実に我々の身近にある症状なのだ。

かくいう僕も、かつて五月病になった経験を持っている。

五月病にかかりやすいタイプの人

  • 責任感が強い
  • 仕事熱心
  • 几帳面
  • 完璧主義
  • 不満があっても我慢してしまう
  • 他人に対して気を使う

僕自身は決して仕事熱心でも几帳面でも完璧主義でもないのだが、不満があっても我慢してしまう、他人に気を使う、というのは当てはまる。僕自身は今の会社に新卒として入社した25年ほど前、理想と現実のギャップ、当時の上司とソリが合わず、ストレスが溜まり朝起きられなくなった。目覚まし時計が鳴っても5分後にセットし直すことを繰り返し、もう出かけなければならない時間のギリギリまで布団から出られなかった。今考えるとれっきとした五月病であった。

五月病の原因は

五月病と言われる症状の主要な原因は、「精神的な疲労・ストレス」である。先に述べた通り、就職や転職、転勤で環境がガラッと変わると、精神的に張り詰めた状態が続き、一日が長く感じ、大変疲れるものだ。疲れがピークに達した頃、ゴールデンウィークが来る。そこで緊張の糸がプツンと切れてしまう。次の楽しみも目標もなかなか見えず無気力に陥ってしまう。こうやって五月病に陥ってしまうのである。

ストレスと向き合う・付き合う

五月病の原因がストレスということははっきりしている。しかし社会生活を送る上でストレスを全て排除するというのはどだい無理な話だ。しかしストレスと向き合い、うまく付き合うということは出来る。

ストレスをいっとき忘れるため・紛らわせるために何かに打ち込む、ということを推奨するケースは多いが、いっとき忘れたり紛らわせても結局思い出してしまうものだ。僕はストレスからは逃げず紛らわせず、一回ちゃんと向き合った方が良いと思う。

具体的には今自分を苦しめているストレスはなんなのか、紙にひとつづつ書き出してみることだ。単身赴任の寂しさか、経済的な不安か、職場の人間関係か、新しい環境の仕事が自分に合っていないことか。書き出してみるだけでも自分の気持ちが整理され、ストレスを客観的に観察することが出来る。

そしてストレスは無理やり排除しようとせず、上手く付き合うように心掛けることだ。なぜならストレスも自分の心から湧き上がってくるものだからだ。

先のことをあれこれ悲観的に考えても仕方ない。僕は自分の身に起こったことは良きにせよ悪きにせよ仏様がそのようにして下さったことだ、と考える様にしている。自分のせいではなく、仏様がそのようになさったのだから仕方ない。人間関係のストレスだって、仏様がこの人を僕の周りに置いたのだから仕方ない、自分の周りが自分の味方だけでは退屈だろうと敵キャラを置いてくれたのだ、と考える。

考え方を変えれば、単身赴任の寂しさも、敵キャラがいる刺激的な時間も楽しく思えるかもしれない。

ストレスが許容量を超えた、と思ったら

しかし人間には許容量というものがある。ストレスが自分でコントロール出来る量を超えたと感じたら、その時はすぐに次の行動を考えよう。まずは病院(心療内科)に行こう。お医者さんに話を聞いてもらい、薬を処方してもらうだけで大分楽になる可能性はある。

それでもだめなら、あなたを苦しめているストレスを思い切って取り除くことだ。すなわち会社なんか辞めて家族の元に帰ってしまうことである。なんと無責任な、会社では責任ある立場なんだ、それを放り出して一人逃げ出すなんて出来るか、そもそも家のローンだってまだ残っているし、子供の教育費だってまだまだかかるんだ、とお叱りを受けるかもしれない。しかしよく考えてみてほしい。一番大切なのはあなたとあなたの家族が幸せに生きることだ。家や教育費のためにあなたが死んでしまったら本末転倒だ。家なんていざとなれば売り払って、家族で小さなアパートで楽しく暮らせば良いではないか。

極端な話ではあるが、いざと言うときはそんな逃げ道もある。仕事のために死ぬくらいだったらさっさと逃げた方がよほど良い。

五月病は誰でもなりうる

五月病は誰でもなりうる。可能な限りならない為に、新しい環境になったからといって張り切りすぎないこと、起きてしまったことは仕方ないと諦め自分を責めないこと、といった自分自身への寛容さを持つことが大切である。また味気ない単身赴任生活にだって、必ず小さな楽しみを見つけることが出来るはずだ。そういうのを大切にしよう。

そしていざなってしまったら無理して自分だけで抱え込まない。最終的にはリタイアという逃げ道もあるということは心の片隅に置いて欲しい。

まああまり無理せずぼちぼち行きましょう。

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Tanoyatsu

40代半ば、妻と二人の女の子を残し、長野に単身赴任中。料理・掃除大好きのおばさん力高め男子。趣味は料理の他・ジョギング・水泳・乗り鉄。数年前から断捨離・ミニマリストに興味を持ち、「モノを極力持たないライフスタイル」をゆるめに実践中。