単身赴任で来た新しい土地のカルチャーショックを楽しんでしまおう
先輩面したがる単身赴任者
先週末、マンションの駐車場の僕の隣に初めて見る車が停められていた。ナンバーは関東ナンバーで、どうやらこの週末に引っ越して来たらしい。僕の住むマンションは単身者用なので、もともと独身か、単身赴任者のいずれかである。車がファミリーカーだったので、単身赴任である可能性が高いように思われる。
こういうのを見ると、「よしよし」という気分になる。
「何かわからないことがあったら単身赴任者の先輩である僕を遠慮なく頼ってきたまえ」という気分になる。
しかし、これまで実際に僕を頼ってきた人というのは一人もいない(当然か)。
どうでもいい話から始めてしまった。本題に入ろう。単身赴任生活も4年目に突入した。心細い気持ちで長野市に来たのももう3年前だ。3年間でだいぶ長野にも詳しくなった。美味い店もいくつも見つけたし、長野の県民性もだいぶわかってきた。
しかし当初はそれまで住んでいた栃木と長野の違いに戸惑うこともしばしばであった。
長野に来て感じたカルチャーショック
山が近い
初めて長野駅に降り立った時、駅前のビルのすぐ後ろに山があるのに驚いた。長野市は善光寺平という盆地に位置しており、四方を高い山に囲まれている。その山の驚くほど高いところに家が建てられていたりする。人々の生活が山と共にあることを実感する。
「ありがとう」がごく自然に使われる
コンビニのレジで、あるいは飲食店で、客が店員に対して「ありがとう」という場面に出くわすことがとても多い。正確には「ありがとー↗️」と語尾を若干上げながら伸ばす。一見怖そうなおじさんやチャラそうな若いお兄さんもだ。外国人が「サンキュー」とか大阪の人が「おおきに」というような感覚だと思うが、とてもスマートで板についている。これは僕自身も見習いたい。
横断歩道に歩行者がいれば車が必ず止まる
信号の無い横断歩道で渡ろうとしている歩行者がいる場合、自動車は止まらなければならない。これは道交法で決められていることで止まるのが当たり前なのだが、実際には止まらないのがまた当たり前という実情もある。僕は仕事柄交通ルールを指導する立場なので必ず止まるようにしていたが、長野に来て驚いたのが皆きちっと止まることである。一見マナーの悪そうな車でもちゃんと止まる。これは感動的であった。しかしこれをもって長野県民の交通マナーが全般的に良いかと言えば決してそうでも無いところがまた興味深い。
意外な名物の食べ物がある
長野の名物の食べ物と言えば、何が思い浮かぶだろうか。僕は長野に来る前はそばとおやきくらいしか知らなかったが、いざ来て見ると北信中信(県北)地域だけでももつ煮、もつ焼き、あんかけ焼きそば、ジンギスカンといったローカルグルメがある。一見長野という地と関係のないようにも思えるのもあるが、それぞれにちゃんと歴史があり、地元の人に長く愛されてきたローカルグルメである
冷奴の薬味は生姜ではなく辛子
定食屋で小鉢の冷奴にカラシが添えられていた。最初は驚いたがこれが結構合う。今では自宅で冷奴を食べる時も辛子である。北陸から関西にかけては冷奴に辛子、という食文化があるらしい。実に面白いではないか。
どこの土地にも、知られざる独自の文化というものがある。他所から来たものは最初は戸惑うが、じきになぜそのような文化が根付いたのがだんだんわかる様になってくる。それが新しい土地に住む面白みだ。カルチャーショックを楽しもう。