同じ仕事を楽しそうにやる人、つまらなそうにやる人

長野市内の冬の夜明けの画像

世の中、自身の勤め先であれ、あるいは普段行きつけのコンビニ・スーパー・牛丼屋・美容院であれ、働く人がいる場所であればどこでも、楽しそうに仕事をしている人と、つまらなそうに仕事をしている人がいることに気づく。

楽しそうに仕事をしている人というのは、まず目の前の仕事に対して一所懸命である。自ずと仕事がテキパキと早い。例えばスーパーのレジ係がそうした人であったなら、客のこちらも気分が良い。次に行った時にもその人の担当するレジに並びたくなる。もしもその人がちょっとした間違いをしても、こちらは「いいよいいよ」と寛容な気持ちになれるだろう。

そのような人は周りに良い影響を与えるだろうから社内でも高い評価を得られるだろうし、実績も上がるだろうから、同期入社の他人より早く責任ある立場に上がれる可能性が高い。自ずと収入も高くなる。

一方、嫌々とつまらなさそうに仕事している人は、仕事が遅く、そのくせ雑である。その仕事ぶりが認められることは中々ないだろうから、地位も収入も上がらないし、何より自分自身つまらないだろう。

僕自身はというと、仕事自体はそんなに好きではない。いい歳しても月曜日の朝は「いやだなあ、いやだなあ」と思いながら会社に行く。仕事というのはあくまで自身と家族の生活の糧を得るためと割り切っている。

しかし、人生の大半は仕事をして過ごす訳だ。その時間中ずっと「嫌だなあ、つまらないなあ」と思って過ごすのはまっぴら御免である。

だから、僕はいつも「しゃーない、やるか」と自分に心の中でハッパをかける。すると不思議なもので、重かった腰も自ずと動くようになる。

僕の勤務先は食品卸売会社の支店で倉庫があるのだが、管理職の僕自身率先して倉庫の整理をする。入荷した商品は社員皆で収納するのだが、同じ収納という作業でもやる社員によって随分違う。段ボールを商品情報が見やすいよう同じ向きにし、角をきちんと揃えて積み上げる社員。向きもバラバラで角も揃えず、乱雑に積み上げる社員。入荷した商品を倉庫に収納する、という極めて単純な作業でもやる社員によって結構な差が出る。たかが収納作業と侮ることなかれ、きちんと整理整頓されている倉庫というのは、出荷ミスも少ないし、賞味期限切れも少ない。作業中の怪我や事故だって少ない。僕自身の経験から、これは間違いのないことである。

倉庫作業という、きつくて一見考えることの余地がない仕事のように見えるが、やる人によって結果に明らかに差が出る。きちんと出来ている社員を観察しているとテキパキとしているし、何か考えているし、何より楽しそうだ。そのような社員は社内でも得意先でも評価が高く、営業成績も良い傾向にある。自ずと出世も早いだろうし、収入も上がるだろう。

僕にとって仕事を楽しくやる秘訣は、「目標を立ててその間は一所懸命やる」ということだ。元来怠け者の僕自身仕事は朝から夕方までずっと一所懸命やれるわけもないが、やらなければならない仕事は、「よし、今から30分間一所懸命やって片付けてしまおう、片付けたら少しサボろう」と目標を立てる。30分という目標を立てることで、その間は余計なことを考えず、仕事に集中する。限られた時間で仕事を片付ける為の手段をあれこれ考える。そうすると仕事嫌いの自分でも少し楽しくなる。で、意外とこのやり方は良い結果を生み出す。

目標を特に立てずにダラダラ遅くまでやる、僕自身も昔はこんな働き方をしていたのだが、これは時間ばかりかかって効率が悪いし、良い結果など生み出せるはずもない。何より疲労感だけが残って、つまらない。

自分なりに仕事を楽しむ為の術は多少は身に付けたが、僕自身が働いている姿が他人にはどう見えるだろうか、生き生きして楽しそうに見えるだろうか。このような僕ではあるがこれでも事業所の責任者という立場であるので、僕自身の姿が社員に与える影響というのも意識する必要があると思う。

僕の大好きな言葉に、長嶋茂雄さんの「本気でやれば何とかなる、本気でやれば何でも楽しい、本気でやれば誰か助けてくれる」というのがある。きっと長嶋さんは、本気で物事に取り組める時間が僕のような凡人とは比較にならないほど長かったのではないかと思う。長嶋さんには程遠いが、僕はこの言葉を心の引き出しに仕舞っていて、折に触れて思い出すようにしている。

実際には、もうやってられないよと思うこととか、一気に禿げそうな事態にも度々見舞われるのだが、だからこそ人生は面白いとも言える。「清濁併せ呑む」心構えで、今年も仕事を楽しむ側で生きていきたい。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村

Tanoyatsu

40代半ば、妻と二人の女の子を残し、長野に単身赴任中。料理・掃除大好きのおばさん力高め男子。趣味は料理の他・ジョギング・水泳・乗り鉄。数年前から断捨離・ミニマリストに興味を持ち、「モノを極力持たないライフスタイル」をゆるめに実践中。