片付け嫌いでも、モノが少なければ散らかることもない
コロナ禍の今、断捨離が再び盛り上がっている理由
世の中、数年前から片付けブーム、断捨離ブームであったが、今年の新型コロナウィルスの状況下、それらは更なる盛り上がりを見せたらしい。
休校や在宅勤務などで家族が家にいる時間が増えたことで、家をもっと快適で生活しやすい空間にしたい、と考える人が増えたのだという。
ゴールデンウィークにはどこにも出掛けられない家族が一家総出で家中の不用品を処分し、それを一気に清掃センターに持ち込んだものだから、場所によってはパンク寸前、というのもニュースで見た。
僕は昔から物持ちの方ではなかったが、それでも今振り返ってみればもう着ない洋服とか、一度読んだっきりの文庫本とか、なんとなく毎月買っている雑誌のバックナンバーとか、何年も聴いていないCDとか、契約期限が切れた保険証書とか、持っていてもメリットがない物、というのは数多くあった。そんな物でも収納する場所、家具が必要だし、滅多に使わない物は部屋の片隅でホコリを被り、ひどい場合には裏側に蜘蛛の巣とかカビが生えていたりする。
2年ほど前、断捨離に覚醒した妻とずいぶん思い切って家の中の不用品を処分した。断捨離に目覚めてしまうと、それまでは「これは取っておいた方が良いか否か」という判断基準だったのが、「これは捨てることが出来るか否か」という判断基準に変わるのである。前提が捨てたい、な訳だからそりゃどんどん捨ててしまうのである。この辺りが一人断捨離に目覚めた人が他の家族との軋轢を生む原因であろう(僕も当初はその一人であった)。
不用品を処分しただけで生活はここまで変わった
しかし、不用品を処分した部屋は見違えるように広く、清々しく、美しくなった。
まず、ホコリが溜まる場所が少なくなった。掃除が行き届かない場所が減ったためである。埃が減ればダニも減る。こんな環境が快適でないはずがない。
貰い物とか、大して気に入っていない小物をごちゃごちゃ飾っていたリビングの飾り棚は本当のお気に入りを一個だけ飾るようにしたら、そこの光景がまるで洗練されたカフェのようになった。
食器棚もそこそこ高価なお気に入りから、おまけでもらったようなのまで混在していたのだが、お気に入りだけにしてそれを普段からどんどん使うようにした。そうしたら食器棚はまるで雑誌に出てくるような美しい風景になったし、いつもと同じ平凡なおかずであっても何だか豊かな感じになったのである。
ちなみに、その時捨てた物の中で後になって後悔したものは一つもない。
今に話を戻そう。
2年9ヶ月前に始めた単身赴任生活はそういうわけで当然ミニマルライフであるのはこれまでご紹介してきた通りだ。
ミニマルライフはズボラな人にこそおすすめ
僕は子供の頃から片付けは苦手であった。たまにまとめて片付けていたのであるが、普段はついつい面倒臭くて、ノートとかプリントが徐々に机の上が山になっていく。そんなわけだから忘れ物とか失くし物が多かった。
しかし、今は物が少ない生活の為、少々散らかってもすぐに元に戻すことが出来る。物が少なければ当然収納場所も少なくて済むから、あっちこっちに入れたり出したりする必要がないので、時間もかからない。探し物に時間を取られたり、失くし物をして困ることもない。
ミニマルライフはズボラな人にこそお勧めだ。ズボラな自分がいうのだから間違いない。
ちなみに、高校生になった娘の机は昔の僕と同じく、物が乱雑に積み上がっている。ついつい口を出したくなるが、散らかった机のストレスを知ってこそ、物が少ない生活の快適さに自ら気付けるのだと、グッと我慢している。