単身赴任先でNHK受信料を払うなら「家族割」を利用すべき理由
正直者がバカをみている?今の制度
ネットで「NHK 受信料」で検索すると、「受信料 断り方」とか「受信料 払わなかったらどうなるか」という記事がズラっと並ぶ。「受信料 喜んで払う」などという奇特な記事はまずお目にかかれない。
何だか正直に払っている人は馬鹿で、解っている人は払わないのが当たり前のような風潮が、少なくともネット上では強い。
今回は受信料自体の存在の是非についての僕の考えを述べることは割愛させて頂くが、僕自身はNHKのテレビやラジオは結構見聴きしているし、広告収入に頼らない公共放送自体は必要と考えるので、その運営を支える受信料はきちんと支払っている。
しかし本宅で払っているのに単身赴任先でも払わなければならないというのは流石に面白くない。
そんなわけでちょっと調べてみたら、「家族割」という制度があったのである。
NHK受信料「家族割」とは
生計が同一であるが離れて暮らす家族や、別荘を持っている人などを対象に、受信料額の半額を割り引く制度である。
これの適用を受けるにはいくつか条件があり、
- 本宅で正規の金額の受信料支払契約を交わしていること
- 本宅と単身赴任先の受信料支払い方法が口座振替・クレジットカード継続払・継続振込のいずれかであること
- 受信料未払いが6期間以上ないこと
である必要がある。なお、申込に当たっては社員証もしくは健康保険証が必要となる。
家族割はインターネットか郵送での申し込みのため、徴収員と顔を合わせる必要もない。国民の受信料に対する不信感の大部分は徴収員とのやり取りの中で発生するのではと思う。彼らも仕事であることは理解しているのだが、引越しが終わって「やれやれ」とぐったりしているところに、ピンポーン「こんばんは〜NHKです、受信契約をお願いします」と一方的に来られて嬉しい人はいないだろう。
これを書いていたら村上春樹の「1Q84」を思い出した。『エネーチケーです、受信料をいただきにあがりました。いらっしゃることはハイ、わかっております』みたいな台詞で、居留守を決め込む部屋の前で主人公の父親が執拗に呼びかけるシーンがあったなあ。おそらく村上春樹自身も徴収員に相当不快な思いをした経験があるのだろう。
話が逸れたが、単身赴任先でNHKの受信料契約を結ぶ時は、家族割のことを忘れないで欲しい。もしもあなたがNHKの大ファンで、受信料を沢山支払いたいという方は、家族割を使用せず2世帯分支払っても問題はない。
受信料の支払い率に関する興味深いデータを紹介
ちょっと面白いデータを見つけたのでご紹介しよう。
<受信料の世帯支払い率が高い都道府県(2018年度末)>
- 秋田県(97.3%)
- 新潟県(95.7%)
- 島根県(93.8%)
- 山形県(93.1%)
- 青森県(92.6%)
<受信料の世帯支払い率が低い都道府県(2018年度末)>
- 沖縄県(49.3%)
- 大阪府(65.3%)
- 東京都(67.5%)
- 北海道(71.3%)
- 京都府(75.4%)
支払い率が高いのはどこも日本海側で、特に東北方面が多い。テレビを楽しみにしている人が多いのだろうか。一方低い方では沖縄が抜きん出ている。これは県民所得の影響かと思ったが、受信料の徴収自体が返還後からという歴史があるらしい。他はやはり大都市が低い傾向にあるようだ。
いずれにせよ正直に払った者が馬鹿を見ているようないまの状態は一刻も早く解消するべきだ。