週末の終わり、家族と別れて単身赴任先に戻る時の弱った心の処方箋
単身赴任者の僕が一番ほっとする時間と一番キツい時間
僕は単身赴任先から大体月に一度程度、栃木県にある本宅に帰っている。
金曜日は定時ぴったりで退社し、19時頃の新幹線に乗れれば21時頃には本宅に帰ることが出来る。
妻の作ってくれた手料理を食べて、ビールを飲んで、娘も交えてお互いに話を聞いたりしたり。この時間は一番ほっとする。
しかし、楽しかった本宅での週末はあっという間に終わり、日曜日の夕方になってしまう。もう単身赴任先に向けて帰る時間だ。
僕にとって、この時間が一番キツイ。
単身赴任を始めてから7年目になるが、この時間に感じる寂しさ・キツさにはどうにも慣れることが出来ない。
次に帰れるのは何週間後だろうとか、今週仕事で面倒な案件を抱えているのを思い出して、気持ちはずっしり重く、腹のあたりがザワザワして、新幹線の車窓を流れる景色も、金曜日に本宅に向かう時とは違い、何とも悲しく見えてしまう。
不思議なもので月曜日が始まって会社に行ってしまうと割と平気なのだが。
いい歳して寂しいなんて恥ずかしいが、もしかしたら密かに僕と同じ思いを抱えている単身赴任の同志もいるかもしれない。
前にもお話ししたが、僕は自分の心から発生する寂しい、キツイ、辛いといったマイナスの感情であっても、無理に紛らわせたり忘れたりすることはしないようにしている。なぜならそういったマイナスの感情も、自分自身の中から湧き上がってくるものだからだ。
無理に紛らわせたり、蓋をしようとすると、行き場のなくなったマイナスの感情が自分の心を蝕んでしまうのではないかと思っている。
寂しさで弱ったココロに効く処方箋
部屋の環境を整える
単身赴任先に帰った時、部屋がゴチャゴチャと散らかっていたらどうだろうか。ゴチャゴチャした部屋は雑音のがうるさい環境と同じで、ゆっくりと寛ぐことなどできず、心のストレスを増長させてしまう。不用品のない、スッキリした部屋を保っておきたい。
また、単身赴任者向けの物件の天井にデフォルトでついている、白い光を発するシーリングライト。あれで煌々と寺された部屋では、心を落ち着かせることが出来ない。照明器具そのものを変えることは難しいが、中の蛍光管を電球色に変えたり、電球色のフロアランプを追加してみると、雰囲気は劇的に暖かくなる。これはとても効果がある。部屋の居心地を良くしたいとお考えの方は是非試してみてほしい。
軽い運動をする
ストレッチや軽い筋トレとか、ちょっとしたウォーキングと言った軽い運動は、寂しさで塞ぎ込みそうな気持ちを落ち着かせ、鎮めるのに有効だ。体がほぐれて温まれば寝つきも良くなるし、ご飯も美味しく食べられる。
寂しがる自分を俯瞰する・面白がる
寂しい気持ちが強い時、僕は自分から幽体離脱したつもりになって、少し高い場所から自分自身を俯瞰してみる。そこには寂しい気持ちに打ちひしがれているアラフィフのおじさんの自分がいる。何とも情けなく、そして愛おしくも感じる。
寂しがっているこの時間だって、自分の人生の一部分だ。この時間は忌み嫌うべきものではない。むしろ面白がってしまおう。
寂しさで弱った心を救ってくれる3人の本
僕は寂しさで心が弱っている時は、にぎやかな人混みに行ったり騒がしいお笑い番組を見るよりも、静かなAMラジオのかかった部屋で読書をすることの方が良いと思っている。
そんな僕のおすすめの3人の本をご紹介しよう。
樹木希林
上で書いた、人生で起こったことを面白がる、これを教えてくれたのが樹木希林さんだ。晩年の著書、「樹木希林120の遺言」は、心の重荷を軽くしてくれるような、素敵な言葉に溢れている。
ひろさちや
僕の人生はひろさちやさんの本と出会って、「努力してもどうにもならないことは必ずある」、「どうにもならないことでクヨクヨ悩んでも仕方ない」、「他人に変わってほしいと願うのは無駄だ」という、人生を仕方のないことで悩まずに生きる智慧を教えてもらった。仏教の教えをとてもわかりやすく解釈して伝えてくれる。今でも心が塞ぎ込みそうな時、つい手にとってしまう。
高田純次
高田純二の言葉は一見馬鹿馬鹿しくふざけているように見えるのだが、僕はその言葉の根底に仏様の教えに通じるものを感じてしまうのだ(おかしいかな)。もしかしたら高田さんは仏様の生まれ変わりなのかもしれないと思う。ひとたびこれを読めば、吹き出すようなおかしさと共に気持ちがじんわりと温かくなる気がする。