2022年、今年もぼっち単身赴任の部屋にクリスマスがやって来た
2022年12月24日。いろいろなことがあった今年も、クリスマスイブがやってきた。朝起きたらびっくり、外は大雪である。
本来、部屋でじっとしているのは苦手な質であるが、たまには雪景色を眺めながら、暖かい部屋で過ごす時間も悪くない。コーヒーを淹れて、このブログを書いている。BGMはラジオから流れるゴンチチのプログラムだ。慌ただしい年末、束の間の休み。ゴンチチの優しい音楽はささくれた気持ちを鎮めてくれる。
この齢になって、しかも単身赴任で一人で過ごすクリスマスだから、特に何をするというわけでもない。妻にはささやかなプレゼントを送ったくらいで、それ以外はいつもの時間に起きて、朝飯を食べて、部屋を掃除して、1週間分の洗濯物を洗濯して、クリーニング屋に行って、帰りにラーメン屋に寄って、ごくごく普通の週末を過ごした。
街中も、僕が学生だった30年前と比べると、クリスマスの熱量というのはだいぶ冷めたように感じる。街中のイルミネーションもだいぶ控えめになったし、テレビをつけてもクリスマス一色、というわけでもない。
当時、彼女なしでクリスマスを迎えざるを得ない僕ら若い学生男子は明らかに負け組であった。テレビではカップル向けの夜景が綺麗なレストランとか、イルミネーションが綺麗なスポットなどを盛んに取り上げ、雑誌は彼女に喜ばれるプレゼントは何か、などという特集を組んで僕らを執拗に煽り、追い込んでいた。僕らは冬が近づくにつれ、合コンの予定を詰め込み、バイト代を注ぎ込んだものである。しかし投資の甲斐なく、彼女が出来ないままクリスマスまであと1週間くらいになると、敗北の気配が強くなる。そうするとぼっちで凄さざるを得ない現実を突きつけられた僕らは、急に開き直る。
「クリスマスなんてくだらねえ」「俺らは仏教徒だ」などと、1週間前まで彼女と過ごすクリスマスを夢見ていたのに、急に仏教徒であることを思い出すのである。「本来クリスマスっていうのは恋人とではなく、家族と過ごすもんだぞ」などと、急に家族想いになってしまう奴もいる。クリスマスイブ、彼らと男同士で白木屋で息巻いて飲んだくれたのも、今となっては実に良い思い出だ。お互いに忙しく、すっかり疎遠になって久しいが、きっと皆元気にやっていることだろう。
あの当時のキラキラした、いやキラキラというより僕自身は「ギラギラ」していたのだが、憧れと希望と、焦りと失望と敗北感といろんな感情がごちゃ混ぜになったクリスマスが懐かしい。
一方、今の心穏やかに迎えられるクリスマスというのも、決して悪くない。街ゆくカップルの姿も、若い頃のように恨みがましい目ではなく、「よしよし」と微笑ましく見られるようになった。
単身赴任先で過ごすクリスマスも、はや5年目だ。単身赴任1年目のクリスマスはなんともいえない寂しい気分で過ごしたが、人間というのは罪深い生き物だ。5年も経つと、寂しいのにも慣れてしまうのである。
家族離れて過ごすクリスマスではあるが、皆生きて、暖かい部屋でクリスマスを迎えられた。これだけでも素晴らしいプレゼントではないか。
さっき、本宅の家族からクリスマスプレゼントが届いた。単身赴任の僕の部屋にもサンタさんがプレゼントを届けてくれた。
皆さん、良いクリスマスをお過ごし下さい。