【寝袋の普段使い】封筒型の寝袋で冬を快適に過ごすための工夫

「寝袋の普段使い」という検索ワードでこのブログを訪れてくれた方が結構いらっしゃる。

ありがたいことだ。そして、それだけ寝袋の普段使いに興味をお持ちの方がいるということだろう。

室内での普段使いにお勧めの寝袋は「封筒型」

単身赴任生活を始めるのを機に購入したモンベルの寝袋の普段使い生活も4年半を超えた。

僕が使用しているのはモンベルの「ファミリーバッグ#1」という、封筒型の寝袋である。封筒型の寝袋とは、要するに面積の大きい薄手の布団状のものを二つ折りにして、2辺をチャックで留め、封筒状にした中で寝る、というものである。

マミー型と言われるツタンカーメンのように全身をすっぽりとタイトに覆う形状の寝袋と比較すると、封筒型寝袋は中で寝返りも打てるし、ジップを閉じないで大きく広げて掛け布団のようにも使えるし、環境に応じてフレシキブルに使えるので、室内での寝具として布団からの乗り換えでも違和感は極めて小さい。ただし、開口部も内部空間も大きいため保温性はマミー型に劣り、極寒のアウトドアのような過酷な環境には適さない。いわば軟派な寝袋である。室内での寝袋の普段使いを検討している方にまずお勧めしたいのは、この「封筒型」である。

そして、寝袋の下には同じモンベルのスリーピングパッド(U.L. コンフォートシステム キャンプパッド50 180)を敷いている。寝袋の普段使いにこれは不可欠で、面積はミニマムとはいえ、これの寝心地は下手なベッドや布団よりよほど優れる。こちらも厚みのバリエーションが何種類かあり、厚いほど寝心地は良くなり、価格も高くなる。

寝袋の一番の長所は優れた発散性

何よりもモンベルの寝袋で感心したのが、その優れた発散性である。

人間というのは眠っている間にコップ1杯の汗をかくのだという。しかしモンベルの寝袋はその汗を瞬時に発散し、寝袋の中も外も常にサラリとした状態に保たれている。

その秘密が、寝袋の中綿の素材にある。僕の愛用するファミリーバッグ#1の中綿は化繊である。その化繊とは「フォローファイバー」という名のポリエステルなのだが、1本1本の繊維の中心部がマカロニのように空洞になっており、繊維自体には保水せず、発散性に優れ、寝袋の中で汗をかいても常にサラリとした状態を保ち、空洞部分に空気を抱き込むので保温性も高いのである。

僕の独身の部下が昨年実家を出てアパートで一人暮らしを始めたのだが、冬場はフローリングの上に量販店で購入したマットレスと布団を重ねて敷いても底冷えがして、しかも朝になるとマットレスと床が接する面がぐっしょりと冷たく濡れてしまうのだという。僕はその話を聞いて、30年前大学進学を機に一人暮らしを始めた時、同じように安物のパイプベッドに安物の布団を敷いて寝た時に、底冷えとジトッとした湿り気で不快な経験をしたこと、しばらく使ったら布団の下にカビが生えて閉口したことを思い出した。

それに比べたら寝袋の快適さと言ったらない。不精して敷きっぱなしにしておいてもジメジメすることはないし、寒い日でも入った瞬間にヒヤッとすることもない。常にカラリととサラリと暖かく迎え入れてくれる。しかも、コスト的には安物の布団と比べてもそうは変わらないのである。

これで4年半毎日寝て、「体が痛い」「底冷えがする」「窮屈で眠れない」「ジメジメして不快」「やはり普通のベッドの方が良かった」と思ったことは一度もない。48年に及ぶ僕の人生の中で間違いなく一番便利で快適な寝具である。

冬場は封筒型1枚では寒い

先にも述べた通り、僕が購入したのはファミリーバッグ#1という製品である。

「#1」とは何を表しているのかというと、モンベルの寝袋は

使用温度の目安
EXP-11~-15℃
#0-6~-10℃
#1-1~-5℃
#26~0℃
#311~5℃
#510~16℃
#717℃以上

というように使用環境の気温の目安として7つのグレードに分類されている。ファミリーバッグの中で一番耐寒性が高いのは僕の持っている#1である。

しかし、10月下旬の今日の明け方は、ファミリーバッグ一枚で寝ていたところ寒さで目が覚めてしまった。

今日の長野市の最低気温は7℃。室温は10℃以上はあったと思われる。

#1製品の快適睡眠温度は確かに−1℃〜とはなっているものの、それは−1℃で過ごしていても寒くない格好をして使うことが前提で、僕のように薄手のパジャマという格好では、寒く感じるのは仕方ないことである。

寝袋を導入して一年目は着るもので調節していたが、寒いからと言って着込むと窮屈で寝苦しくなり、快適な睡眠環境とは言い難くなってしまう。

寝袋2枚の組み合わせで完璧な睡眠環境を作る

寝袋の普段使いを始めて4年半、さまざまな試行錯誤を経て、今では落ち着くべきスタイルに落ち着いた。

具体的にいうとファミリーバッグ#1を2枚と、無印良品で購入した薄手のフリース生地の毛布を組み合わせて、気温の変化に対応している。これであれば薄手のパジャマでも十分快適に眠ることが出来る。

  • 秋口〜ファミリーバッグ1枚を広げて体に掛けて寝る
  • 秋本番〜ファミリーバッグのジッパーを閉じた中で寝る
  • 晩秋〜ファミリーバッグのジッパーを閉じて中にフリース毛布を突っ込んで寝る
  • 冬期〜ファミリーバッグのジッパーを閉じて中にフリース毛布を突っ込み、上にもう一枚のファミリーバッグを広げて掛けて寝る

寝袋だけでは寒い時、フリース素材の服や毛布を身に着けるのではなく、単に寝袋の中に突っ込むだけでも格段に暖かくなることを知った時は目から鱗が落ちる思いだった。

季節に応じてスペックの異なる何種類かの寝袋を用意する、という選択肢もあるのだが、アイテム点数が多くなるし、コストも張る。中間程度のスペックの同じ製品を2枚所有して組み合わせて使い回す方がコストも抑えられ、長持ちもするだろうということで、今のスタイルに落ち着いた。

まとめ

寝袋の普段使いの魅力についてはこれまでも何度かご紹介してきたが、今回は冬の室内で寝袋で快適に眠るための僕自身の工夫を紹介した。

これも何度も言うが、少なくとも僕のモンベルのファミリーバッグの普段使いには圧倒的にメリットしか感じない。安価で、コンパクトで、軽くて、暖かくて、発散性が良くて、丸洗い出来て清潔で、車中泊にも使えて(使ったことないけど)、非常時にはどこでも使える機動性も持つ。

単身赴任生活を始めるにあたりミニマルな買い物をしたが、その中でもこのファミリーバッグは買ってよかったなあと、秋冬が来る度につくづく感じる。

寝袋の普段使いに興味のある方には、是非一度お試し下さいと自信を持って申し上げたい。

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Tanoyatsu

40代半ば、妻と二人の女の子を残し、長野に単身赴任中。料理・掃除大好きのおばさん力高め男子。趣味は料理の他・ジョギング・水泳・乗り鉄。数年前から断捨離・ミニマリストに興味を持ち、「モノを極力持たないライフスタイル」をゆるめに実践中。