【HARISONのソックス】40代になったら3足1,000円のソックスは卒業しよう

靴下。ファッションでは脇役の地味な小物ではあるが、その役割は重要だ。

特にビジネスシーンにおいては、どんなに格好いいスーツでビシッと決めても、靴下のチョイスを間違えると全て台無しだ。

言わんや靴を脱いだ時に親指に穴が開いていたりしたらもう、目も当てられない。これだけでもう社会人としての信頼を失ってしまう。

若者であればまあ、笑って許してもらえるかもしれない。しかし中年男子たるもの、たかが靴下と侮ることなかれ。見ている人はちゃんと見ているのである。

偉そうな事を言わせてもらったが、僕自身そんなに高級な靴下を履ける身分ではない。

数年前渋谷の伊勢丹メンズ館で「パンセレラ」の一足¥4,000の靴下を買ったことがある。確かに生地は高級感があり履き心地も申し分なかったが、全ての靴下をそこで揃えられる程の身分ではない。

しかし3足¥1000のソックスももう卒業したい。

そんな事を考えたのが今から5年半前、40歳になったのを機にスーツを百貨店でセミオーダーで作った時である。

スーツはそれまで量販店で安い吊るしのを買っていたが、セミオーダーはやはり全然違う。体の各部のサイズにフィットしているため、シュッと洗練されて見える。自分で言うのもなんだが、2割5分くらいイケメンになった気がした。「おじさんデビュー」と言う言葉が頭をよぎった。

デビューしてしまった僕の目に留まったのが「HARISON」のソックスである。

ビジネス向きのドレスソックスは一足¥1,320〜¥1,760(税込)程度、Made in Japanで多くのブランドのOEM供給も多く行っている老舗のソックスメーカーである。

スーツの時のソックスはロングホーズ、すなわちハイソックスが基本、足を組んだ時にもすねが見える様なことがあってはならない、ということも勉強した。

それで僕が選んだのがこれ。

ハイソックスなど履いたのは小学生以来で、その履き心地に懐かしさが込み上げた。

履いてみると、着圧がちょうど良い。きちんと締まるところとそうでないところのメリハリがあり、窮屈な感じはしない。時間が経てばソックスのことは忘れていられる。すなわち、普通の靴下となんら変わらない。

感心するのが時間が経っても、歩き回っても全然ずり落ちてこないことだ。もう一つ、靴下によっては汗を掻くと靴下の中がじっとり冷たく濡れてしまうのがあるが、これは全くそれがない。特に発散性を謳っているわけではないのだが、この点には感心している。

3足¥1,000より高いだけあって、なかなか丈夫である。ちょっとやそっとでは親指に穴が開くことはない。しかし2年も履いていると、さすがに踵の部分が薄くなってくる。あるいは、履き口のゴムが伸びてくる。そうすると同じのを買って代替えする事を繰り返している。クロゼットには常に5足のロングホーズを準備している。

ロングホーズのソックスでも様々な素材、編み方、色柄のバリエーションがあり、実は試しに一度高いのを買ったこともあったが、結局一番安いこれで十分満足という結論に至り、再びこれを買い続けている。またカジュアルのソックスも最近はもっぱらここで買っている。

ちなみに色は無地のブラック・チャコールグレー・ダークネイビーあたりが無難だ。よほどのファッション上級者でもない限り、スーツスタイルでソックスで個性を演出する、などと言うことは考えないほうが良い。

今回これを書くにあたってこれまでの購入履歴を調べてみたら、2015年の3月に初めて買って、通算で13足買ってきた。1足¥1,320を13足で¥17,160、1年あたりのコストに換算すると¥3,120である。3足¥1,000、税込¥1,100の靴下は1年くらいでダメになるから、年間6足づつ買うとして¥2,200、せいぜい年間¥1,000足らずの差である。それでこの満足度なのであるから、決して高いとは思わない。

ちょっと良いもの、とは実は最もコストパフォーマンスに優れるものなのである。

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Tanoyatsu

40代半ば、妻と二人の女の子を残し、長野に単身赴任中。料理・掃除大好きのおばさん力高め男子。趣味は料理の他・ジョギング・水泳・乗り鉄。数年前から断捨離・ミニマリストに興味を持ち、「モノを極力持たないライフスタイル」をゆるめに実践中。