服好きミニマリスト40代男子、2023年春のワードローブ公開・この春欲しいアイテム
長野市内は夜や明け方は相変わらず厳しい冷え込みながら、日中太陽が昇るとポカポカと暖かくなってきた。春はすぐそこまで来ている。
冬の休日の格好はついついパタゴニアのベター・セーター・ジャケットにマーニャ・フリース・パンツという格好ばかりになりがちだったが、春の気配を感じられるこの時期になると、少しお洒落をしたいという気持ちが湧き上がってくる。
ミニマリストだから、手持ちの服の数は少ないが、同時に服好きでもあるから、特別洋服にこだわりを持たないミニマリストの方と比べると、服の数が多いしシンプル一辺倒というわけでもないと思う。そして、クロゼットに気に入らない服は入れておきたくない。飽きたり着る機会が減った服は迷わず手放す。従って今僕のクロゼットに収まっているのは、試行錯誤、失敗を経て辿り着いた、どれもお気に入りの一軍選手ばかりだ。
今回はこの春の僕のワードローブについてご紹介していこう。
トップス
「INDIVIDUALIZED SHIRTS(インディビジュアライズドシャツ)」のボタンダウンシャツ
いい歳した大人であれば、ちゃんとしたシャツを持っておきたいと思う。僕が持っているのは、アメリカの名門シャツメーカー、INDIVIDUALIZED SHIRTSのボタンダウンシャツ2枚。もちろんメイド・イン・USAである。
ブルーの方はオックスフォードのがっしりした生地。サイズは15のスリムフィット。38−85の手持ちのワイシャツとほぼ同じサイズ。目新しくはないが、決して古くもならない永遠の定番アイテム。しかし、ウェストがシェイプされた美しいシルエット、胸ポケット無しのすっきりしたフロントなど、現代のファッションにも違和感なく溶け込めるようなアップデートはきちんとされている。
チェックの方は薄手の柔らかい生地。こちらもスリムフィットながらサイズは14.5。ジャストサイズである。
僕はシャツは必ずパンツにタックイン(裾を入れる)し、上に何も羽織らないのであれば腕まくりして着る。僕のファッションの師匠、Boysmarketの店主に教えてもらった粋なシャツの着方だ。
「Fileuse dArvor(フィールズダルボー)」(※現在はKANELL)のバスクシャツ
バスクシャツと言ったらセントジェームスのボーダーが有名だが、僕はバスクシャツのあのゴワゴワして、着た瞬間にヒヤッとする着心地がイマイチ苦手である。その点これはバスクシャツでもとても柔らかくて、肌触りがいい。イタリア製の糸をギュッと詰まった目で編まれたニットは「ビンテージリブ」と呼ばれ、伸縮性にも耐久性にも優れる。フィールズダルボーは経営的に紆余曲折あって、ブランド消滅の危機も囁かれたものの、「KANELL(カネル)」という創業当時のブランド名に回帰して生き残った。お気に入りだ。
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「JOHN SMEDREY」のクルーネックニット
なんの変哲もないクルーネックニットだが、最高級のメリノ・ウールを30ゲージという細い糸で編まれているので、上品な光沢がある。また発色がとても美しく、カジュアルな格好にこれを一枚取り入れるだけで着こなしが上質にグレードアップする。僕はいつもカットソー感覚でTシャツの上に着るが、肌触りが最高にいい。そしてとにかく丈夫だ。何年もラフに着ているが、首元がだらしなく伸びることも、生地が痩せることも、色が褪せることもない。但し、保管時の虫食いだけは要注意だ。
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ボトムス
RESAULT(リゾルト)710
結婚してからしばらく失っていた洋服への興味を、再び目覚めさせてくれたのがこのジーンズ。ファストファッションのジーンズは卒業したいが、何を買えば良いかわからない、と迷える子羊だった僕を救ってくれた。
僕の持っているのはリゾルトを代表するモデル、710である。日本人の体型に合うように考慮されて作られたシルエットで、僕のような足短めの昭和体型であっても、足をそれなりに長く、スマートに見せてくれる。
リゾルトを格好よく履く為にとても大切なのはサイズ選びだ。ベルトがなくても落ちない程度のジャストなウェストサイズ、くるぶしにぶつからないくらいのレングスを選んで欲しい。僕が最初にリゾルトを買った当時は、ギリギリの極限のジャストサイズこそリゾルト、という風潮がネット上であり、僕もそれに倣ってウェスト27インチというかなり攻めたサイズを選んだが、流石に長時間の運転などでは腹が苦しく、後に28インチに買い直した。何事も程々がちょうど良いということだ。
DOUBLE TREE 5ポケットピケパンツ
大阪のセレクトショップ、「ZABOU」とリゾルトの代表、林さんがコラボで立ち上げたブランドがDOUBLE TREE(ダブル・ツリー)である。2年ほど前に、ここのオフホワイトの5ポケットピケパンツをウェブショップで購入した。
ピケとはコーデュロイを細くしたような凹凸がある生地で、コーデュロイほどカジュアルではなく、上品な佇まいがある。ゆるくテーパーどしたシルエットはリゾルトの710と同じ。白いパンツ、というのは中年にとってはちょっと勇気のいる選択であったが、いざ履いてみると真っ白ではなくオフホワイトということもあり、手持ちのアイテムとの相性はブルージーンズと同じく抜群であった。
残念ながらダブルツリーの新商品の開発・製造は今は休止しているようで、ウェブショップにも掲載がなくなっているが、代わりに紹介されているのが「F.O.B(エフ・オー・ビー)」のピケパンツ。F.O.Bは多くの大人向きのカジュアルウェアを扱うセレクトショップで扱われている岡山のファクトリーブランド。価格は手頃ながら、上質なオーガニック・コットンを使用したり、昔ながらの染め方を行うなど、こだわり抜かれた本格派である。白は汚れが目立ちそう、などと野暮な考えは捨てて、興味を持たれたらこの春一本購入してみてはいかがだろうか。
この春欲しいアイテムは
服好きミニマリストの僕が、この春欲しいのは、シャツだけではちょっと肌寒い時にさっと羽織れるジャケット。パタゴニアのベター・セーター・ジャケットがあるが、冬の間ずっと着ているので、春も着るのはさすがに飽きる。休日、ちょっと図書館に行って、帰りにカフェでコーヒーを飲むような(カフェはまず行かないけど)場面にふさわしいカジュアルでありながら、あまりカジュアルすぎないジャケットがないか物色中である。
実際にはあれこれ探しているうちに春が終わってしまい「まあ来年また探そう」となるのもしょっちゅうではあるが、あれこれ探す時間と言うのも服好きにとってはこの上なく楽しいのだ。