【40代男子のネクタイ選び】おじさん臭くない・若造ぽくもないネクタイとは
カジュアルビスの普及や在宅ワークの増加で販売量が激減していると言われるネクタイ。しかしビジネスマンでネクタイを一本も持っていないという人は極めて少数だろうし、やはりスーツスタイルというのはネクタイがあって完成するものである。業種にもよるが、大事な商談の場面でノーネクタイという訳にもいかない場合は多い。需要は減ったとはいえ、スーツがある限りネクタイの需要がなくなることはあり得ない。
かくいう僕は40代後半のミニマリストのサラリーマン。10年くらい前から洋服好きになり、5年前からミニマルライフを始めたので、手持ちの洋服・洋品の数は少ないし、ハイブランドなどの高級品は一つも持っていないが、どれも吟味を重ねてコツコツと買い集めたお気に入りばかりである。
そんな僕にとって、仕事中の格好というのはとても重要だと思っている。仕事の時の格好というのは、相手に与える印象に大きな影響を与える。自分の格好にも他人の格好にも全く無頓着な人もいるが、やはりキチンとした格好をしている人は仕事相手として信頼出来そうな印象を相手に与えるものであるし、着ている本人も背筋が伸び、やる気も(少しは)出るものである。たかが格好ということ勿れ、格好一つで得もするし損もするのだ。
偉そうに語ってしまったが、今回はそんな僕の手持ちのネクタイ、何を基準にネクタイ選びをしているのかについてお話ししたい。
最低限持っておくべきネクタイの本数は?
僕が現在仕事用に持っているネクタイは5本(+1本の夏物)である。全部ソリッド(無地)だ。若い頃はストライプを好んで付けていたが、40代を過ぎてからソリッドを好んで買うようになった。
その気になれば、もっと少ない本数で回すことも可能ではあるが、ネクタイを締めた状態というのはネクタイに結構なストレスがかかる。着用したネクタイはしっかり休ませる必要があり、着用頻度が多いと早くダメになってしまう。
ミニマルライフと、ネクタイの寿命と、相手に与える印象のバランスを考慮した上で辿り着いたのが、一本あたり週一回の着用頻度となる5本という本数だ。
今は夏も冬もほぼ同じネクタイを着用している訳だが、できれば夏物冬物それぞれ2本くらいづつを持って季節によって着け回せば、「あの人お洒落だね」と他人に思われるかもしれない。
40代男子のネクタイ選びの基準
ネクタイ選びの基本の心得
まず、ビジネスシーンに置けるネクタイ選びの鉄則は、「オーソドックスで控えめで、なおかつ上質であること」だと僕は考えている。僕はネクタイに限らず、ビジネスウェア全般に対して同じ考えを持っている。ビジネスウェア・アイテムは、どれかひとつが突出して目立つことがあってはならない。ネクタイ一本で自己主張しようなどとくれぐれも考えないことだ。
素材・価格
仕事用のネクタイの基本はシルク100%だ。コットンやリネンやウールのネクタイもあるが、これはかなりカジュアルな表情となるので、重要なビジネスの場面では避けた方が無難だ。価格は僕は¥10,000を基準にしている。ディスカウントショップで1本¥1,000未満とか、ネットで5本¥3,000の化繊のネクタイも売ってはいるが、やはり安いネクタイは見た目も締め心地もそれなりである。40代になって安物のビジネスウェアを身につけている人は、やはりそれなりの人にしか見えない。
一方、「ルイジ ボレッリ」や「マリネッラ」などの¥30,000以上するネクタイもあるが、このクラスになると洒落者の趣味の範疇となり、僕のような平均的収入のサラリーマンが毎日の実用品として身につけるのは現実的ではない。スーツは百貨店のセミオーダー、靴はスコッチグレイン、シャツは土井縫工所といったラインナップの僕にとっては、¥10,000前後のネクタイが一番バランスが良く、締めていて気兼ねなく仕事に集中出来る(そんなに集中しているわけでもないけど)。
色・柄
まずは必ず1本は持っておきたいのが、ソリッド(無地)のネイビーブルーのネクタイ。もちろん僕も持っている。これが似合わない人はまずいないし、清潔・誠実・真面目とビジネスシーンにおいては間違いなく相手にプラスの印象を与えてくれる。
ブルーの次に何か他の色を、となったら、トラディショナルでオーソドックスな色を選べば間違いない。具体的にはエンジ・グレー・ブラウンなどである。
柄物はなかなか難しい。明るい色やコントラストのはっきりしたレジメンタルやチェックは若々しく爽やかな印象を与えるが、大人の男子が身につけるとちょっと若作りに過ぎる印象を与えるかもしれない。大人の男子にお勧めなのは同系色同士の落ち着いた色の組み合わせ、あるいは一見無地なのだが、近くでよく見ると柄が入っている製品。ドットは柔らかい印象で女性ウケも良いが、くれぐれもドットが大きすぎないものを選ぶこと。ドットが大きいとマジシャンとか漫才師みたいにネクタイが悪目立ちしてしまう。
僕がいつも買うネクタイブランド
FAIRFAX(フェアファクス)
僕がネクタイを購入することが最も多かったのが、「FAIRFAX(フェアファクス)」である。アメリカントラッドをベースにスタートしたネクタイ専業メーカーであるが、ヨーロッパの生地を使用した製品も多く取り扱っている。多くのブランド・セレクトショップのOEMなども請け負っており、知名度・信頼性は抜群である。しかしネクタイ低迷の煽りを受けて、2019年に経営破綻・民事再生法を申請することとなった。それ以来、僕個人の感想だが品揃えが少し貧弱になった。ソリッドのネイビーといった一番定番でいつでも欲しいアイテムがずっと在庫切れになっていたりする。
メーカーズシャツ鎌倉
そこで最近一番購入する頻度が高くなったのが「メーカーズシャツ鎌倉」だ。こちらはもともとシャツ専業メーカーであるのだが、ここ10年くらいのシャツ以外のビジネスウェア・グッズの充実ぶりは目を見張るものがある。特にネクタイの充実ぶりは目を見張るものがあり、5千円台から良質で本格的なネクタイを取り揃えており、ネクタイの名門ブランド「BREUER」とのコラボレーション製品を展開したりと相当意欲的だ。
ネクタイ斜陽の今こそネクタイを!
冒頭に書いたように、クールビズ、カジュアルビズ、在宅ワークの影響などでネクタイの需要というのは一気に下がってしまった。ネクタイメーカーはフェアファクスに限らず、どこも苦境に立たされている。
しかし、ネクタイをせずに出社しても誰にも咎められない環境になったからといって、スーツにノーネクタイでワイシャツの第一ボタンを開けて出社してくる上司と、きちんとしたネクタイを締めて出社してくる上司、どちらが仕事が出来そうに見えるだろうか。言うまでもなく僕は後者を選ぶ。
自分に合ったネクタイをきちんと結ぶだけのことで、面倒臭いからという理由だけでノーネクタイに甘んじている人と一歩差をつけることが出来る。人は見た目ではないというが、仕事の場面ではまずは身だしなみが勝負の入り口だ、と僕は考えている。