夕食のおかずが目玉焼きでも全然上等だ
僕は普段の夕食は必ず自宅で食べる。予定されていた会合や飲み会は別だが、何でもない日にふと「今日は帰りに一杯飲んで行くか」となったことは一度もない。
決して一人で外で飲むことを嫌っているわけではなく、内心はそれに憧れているのだが、いざとなると「待てよ、一人で飲んでも最低¥3,000はかかる、スーパーでちょっといい刺身を買っても家で飲めば半額以下だな」などとしみったれた勘定をしているうちに、「ま、家で飲むか」という結論に達してしまう。誠につまらない奴だと自分でも思う。
忙しくて帰りが遅くなった日でも、ほぼ何かの献立を自分で作っている。
若い頃は買ってきた弁当やレトルトカレーで済ますことも多かったが、最近そのようなものを食べると体が疲れるのを感じるようになった。
それで、ごく簡単な物でも自分で作るようになったのである。
しかし、野菜の皮を剥くのも面倒臭い日というのはある。
そのような時、よく目玉焼き定食を作る。冷凍しているチャーシューやハムがあればそれを載せて焼けば上等である。
目玉焼きだけでは物足りないと感じたら、スーパーで刺身でも買って帰れば良い。
目玉焼きも美味しく作るにはちょっとしたコツがある。油は多め、火は強めである。
焼き上がったプルプルの目玉焼きに醤油を回しかけ、ご飯に載せて食べればたかが目玉焼きでも最高に美味い。
君と白身がくっきり分かれたきれいな目玉焼きも勿論良いが、フライパンに落とした後の卵の黄身を菜箸で壊し、マーブル状にかき混ぜた目玉焼き(目玉焼きと言わないか)もまた美味しいのをご存知であろうか。
副菜として、トマトやきゅうりをただ切っただけというのもよく食べる。ドレッシングも塩もかけず、本当にただ切っただけである。最初は味気なく感じたが、慣れれば十分美味しい。
単身赴任の同志のブログを拝見すると、毎日バランスを考えた手の込んだ素晴らしいメニューを作っている方も沢山いて、誠に頭が下がる思いである。
基本的に僕は15分程度でできるものしか作らないが、それでも十分満足しているし、そこそこ健康的な食事は出来ている自信がある。
例えば同じ豚肉でも、手間と時間をかければ更に美味しくなるのは知っている。レストランというのはその手間にお金を払っているようなものだから。しかし、ただ焼いて醤油をかけて食べても、レストランに比べれば美味しさは及ぶべくもないが豚肉を頂いたということに変わりはない。
普段の家庭での食卓はそんなに手の込んだ、奥行きのある美味しさを求めなくても十分である。
このことを教えてくれたのが土井善治さんのこの本だ。
価格:1,650円 |
自炊というのは長続きしなければ意味がない。肩の力を抜いて、たまには目玉焼き定食でも全然良いと思う。何せ安いし。