アラフィフミニマリストの僕は、これからどんなファッションを目指すべきか?

僕は今年の11月で49歳になる。立派なアラフィフのおじさんである。

ただし、自分のことを「おじさん」と呼びたくない。まごうことなきおじさんではあるが、あくまで自分のことは「中年男子」「アラフィフ男子」と呼ぶことにしている。

そんなアラフィフ男子の僕は40歳前後の時期に自分の着るものに再び関心を抱くようになった。

30歳で結婚して、子供が産まれて、家も買って、仕事もめちゃくちゃ忙しく、しばらくは自分の着るものに頓着するだけの時間もお金もエネルギーもなかった。ファストファッションやショッピングモールで何も考えずに買ったような服を何も考えずに着ていたのだが、ある日妻と子供と買い物に行ったモールのウィンドウに映った自分の姿を見て、「俺ってなんてダサいんだ」と愕然としたのだ。それはその場に妻と子供を残して走り去りたいくらいの激しい衝動であった。

僕が学生の頃は良かった。街中のファッションビルに行けば流行を押さえたキレイめの、尚且つ学生でもなんとか手の届く価格の洋服がいくらでも売っていた。いわゆる丸井系と言うやつだ。

しかし中年になってから、ファストファッションやモール系は卒業して再びちょっとお洒落をしたいと思っても、僕らにしっくりくる洋服屋はなかなか見つからず、どこで服を買えば良いのかわからない。いい歳こいた中年男子の僕は途方に暮れたものである。

ファッションの師匠「Boysmarket」との出会い

そんな迷える子羊(中年羊かな)の僕が出会ったのが、今でも僕が一方的にファッションの師匠と仰ぐ、徳島のセレクトショップ、「Boysmarket(ボーイズマーケット)」である。

この店の店主(師匠)は僕よりも10歳以上歳上なのだが、まず生活そのものが格好いい。毎朝愛犬とジョギングに行ってからお店に立ち、休みの日は仲間とサーフィンをして、夜は美味しい酒を飲んで、オンもオフも生活そのものを思いきり楽しんでいる。そして洋服屋なのに「服はあくまで楽しい人生を彩るもの、洋服中心の人生では格好悪いですよ」という確固としたポリシーを持っている。

僕の洋服に対する軟弱な価値観は師匠によって完全にぶちのめされた。

ミニマリストでもあるし、予算の都合もある(師匠のお店で販売しているアイテムは長く使える良いものなので、自ずと価格もそれなりとなる)ので、師匠の紹介してくれたアイテムを次々買い集めることは出来ないが、この10年ほどの間に師匠の教えをベースに少しづつ洋服や用品を買い集めてきた。

しかし僕もアラフィフである。40代の頃とは一歩成長した、50代のスタイルというのを追求したい。

そのためにはまず、これからの自分が目指すべきファッションの方向性をしっかり考えておく必要がある。決してファッションの上級者ではないので、上級者の方が読めば片腹痛い点もあるかもしれないが、ひとつご笑納頂ければ幸いである。

アラフィフの僕が目指したいファッションスタイル

基本はアップデートされたアイビールック

スタイルの基本は師匠に倣って「アイビールック」。

アイビールックとは1950年代、アメリカ東海岸の8つの大学のフットボールチーム連盟「アイビーリーグ」に所属していた学生発祥のファッションスタイルで、アメトラをベースとしながらカジュアル・スポーティ・ドレスの要素も入ったこのスタイルは世界中でたちまち人気となった。日本では1960年代、「van」の石津謙介氏によって紹介され、それから半世紀以上経った現代でもアップデートされながら揺るぎないファッションの定番スタイルとされている。

師匠のスタイルはアイビールックがベースとはいいながら、とても自由で洗練されている。例えば紺ブレにパタゴニアのフリースパンツを合わせて、足元はブーツなど。その着こなしというか、着崩しがとても格好いい。

自由に着崩しながらもしっかりアイビールックを感じるのは、きちんとアイビールックのことを勉強して熟知しているからだ。僕も改めてアイビールックの教科書と言われる「TAKE IVY」を改めて読んでアイビールックの基本を勉強したい。

流行に翻弄されはしないが、流行を全く無視もしない

今のトレンドはゆったりとしたルーズシルエットであることは知っている。僕のヒョロヒョロと細い娘もこの間会った時は僕よりも大きなTシャツを着ていて驚いた。しかし、若者の流行なんていうのは極めて早い周期で移り変わる。僕ら中年はそれに翻弄される必要はない。僕らが身につけるべきなのは、大きすぎずピッタリすぎないジャストなサイズだ。しかし、流行がどうであろうと全く気にもかけずに頑なに我が道を行く、と言うのもお洒落な人とは思われないだろう。ジャケットはあくまで自分のジャストサイズを守りながらも、パンツは少しだけリラックスシルエットを選ぶくらいの柔軟性はあってもいいと思う。

「ドレス」の要素を少し増やす

服装には「カジュアル」と「ドレス」と言う相反する要素がある。

「ドレス」側のアイテムはジャケット・ネクタイ・革靴、対する「カジュアル」側はTシャツ・スウェット・短パン・スニーカーといったところ。ファッションの楽しさと言うのはこれらをいかに組み合わせていくかと言うところにあると思う。僕の休日の服装には今のところドレスの要素はほとんどないので、これからはドレスの要素を少しだけ増やしていきたいと思っている。

ジャケットかブレザーを日常的に着たい

じゃあドレスの要素を増やすって具体的に何だ、と言われそうだが、この秋、アイビールックの基本アイテムであるブレザーを着てみたい。

ラーメン屋に行く時はTシャツ・短パンが様になるが、知り合いのオーナーシェフのビストロに行く時はそうもいかない(知り合いのビストロのオーナーシェフはいないけど)。また50代になったら美術館やコンサートにも行ってみたい。

そんな場面ではTシャツ短パンはカジュアルに過ぎるが、そこにブレザーや、ジャケットを一枚羽織るだけで、その場にふさわしい装いになる。

実はもう、ブレザーを買ってしまったのだ。近々レビューを投稿できると思うのでお楽しみに。

洋服は新しい生活を妄想しながら買うのが楽しい

洋服や靴というのは、必要に迫られて慌てて買うのではなく、今の自分の生活をもう少し充実させたのを想像しながら、その場面に相応しい服はこれかな、それともこっちかなと想像するのが何よりも楽しい。

ミニマリストだから、洋服や用品をいたずらに増やすことはしないが、自分の目指すスタイルが決まっていれば、あれこれ悩む必要もないし、「これ買って失敗した」ということもなくなるのではないだろうか。

たかが洋服、されど洋服。何事もそうだが、興味を持つとその世界の奥深さに驚く。

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Tanoyatsu

40代半ば、妻と二人の女の子を残し、長野に単身赴任中。料理・掃除大好きのおばさん力高め男子。趣味は料理の他・ジョギング・水泳・乗り鉄。数年前から断捨離・ミニマリストに興味を持ち、「モノを極力持たないライフスタイル」をゆるめに実践中。