単身赴任7年目の僕が単身赴任のメリット・デメリットを考えてみた

4月に人事異動のある企業にお勤めの方であれば、そろそろ転勤の内示が出るたところもあろうかと思う。
僕の会社でも先週人事異動の内示が出て、例年のことながら社内にはざわついた空気が流れている。
いざ転勤を言い渡されたが、単身赴任をするか、家族を連れて行くか、迷いに迷ってどうすれば良いかわからなくなって呆然としている方もいるかもしれない。
そんな方がこのブログを読んでくれるかどうかはわからないが、今回は単身赴任を7年間やってきた僕が、単身赴任のメリット・デメリットについて考えてみた。
単身赴任のメリットは?
のっけから身も蓋もない結論を言って申し訳ないが、僕は単身赴任にメリットなどないと思っている。
単身赴任は止むに止まれぬ事情で、仕方なくするものだ。
単身赴任することと、家族を連れて行くことのデメリットを天秤にかけて、デメリットの小さい方を選択した結果が単身赴任ということだろう。
僕の場合は持ち家であること、妻も子供も地元での生活が確立していたこと、僕自身昇進を伴う転勤であったこと、住んでいた所が栃木の片田舎なので地元企業への転職は収入源を強いられてしまうこと、こうした理由で単身赴任を決めた。恐らく、僕と同じような理由で単身赴任を選択した方は多いと思う。
しかし、強いて言えば下記の二つは単身赴任で得られた数少ないメリット、というか副産物的なものと言えるかもしれない。
1.生活力が向上する
単身赴任していれば、自ずと自身の生活は自分でなんとかしなければならなくなる。
僕はもともと料理や掃除といった家事は好きで得意であったが、単身赴任を初めて自分一人で生きて行くための「生活力」が鍛えられたのを感じている。
食事は外食であろうが、自炊であろうが、いずれにせよ自分で決断して、自分で行動しなければならない。自分のパンツは自分で洗濯して、自分で干さなければならない。ワイシャツのボタンが取れたら自分でつけなければならない。
僕は男女関係なく、この「生活力」を身につけることはとても大事だと思っている。
今、共働きの夫婦の割合は7割が共働きだ。共働きであれば当然ながら家事も相応に分担する必要がある。仕事が忙しいことを理由にして、家事は奥さんに任せっぱなしが通用したのは昔の話だ。
また、定年と同時に妻に離婚を言い渡されるかもしれない。不幸にして、妻に先立たれるかもしれない。
自分の意思や希望とは裏腹に、いつか一人で生きていかなければならなくなるかもしれない。その時必要なのが生活力だ。
単身赴任は生活力を鍛えるための絶好のトレーニング期間にはなる。
2.家族を思いやる気持ちが強くなる
家族と毎日顔を合わせていると、感謝の気持ちよりもどうしてもお互いの粗が目につき、喧嘩もしてしまう。家族に対する甘えや奢りの気持ちがあったのだと思う。
それが単身赴任で離れて暮らすようになってから、「元気かな」「大丈夫かな」と家族を想う気持ちが強くなった。人の気持ちというのは不思議で、僕自身がそういう気持ちで家族に接すると、家族も同じような気持ちを返してくれる。
単身赴任のデメリットは?
1.経済的に厳しくなる
多くの家庭にとって、単身赴任のデメリットで一番大きいのはやはり経済的なことではないだろうか。いうまでもなく、我が家も同様だ。
それまで一つの世帯で暮らしていたのが二世帯に分かれると、生活に必要な家電や家具、生活用品を一通り揃えなければならないし、公共料金の基本料も二世帯分になる。食費だって割高になってしまう。
僕の勤務している会社では単身赴任手当が出るが、それで2世帯になったコストアップ分全てを賄い切ることは出来ない。
しかし、単身赴任が理由で家計が慢性的な赤字になることは何としても避けたいところだ。簡単なことではないと思われるかもしれないけど、ミニマムライフを心掛けることで家計の黒字化は十分出来る。僕はそれを伝えたくてこのブログをやっているのだ。
2.一人で過ごす休日が寂しい

単身赴任を初めて7年目になるが、いまだに単身赴任先で過ごす週末の寂しさには慣れることがない。
会社に行ってわちゃわちゃやっている平日はへっちゃらで、一人で食べる夕食も楽しいのだが、一人で過ごさねばならない週末は何をやってもしみじみと寂しい。何せ単身赴任先には友達もいないので、下手をすると丸二日間一言も喋らない週末もザラにある。
本宅に帰った時も、もう直ぐ単身赴任先に帰らなければならない日曜日の昼過ぎから、お腹の辺りがザワザワするようなどうしようもない憂鬱な気持ちに襲われてしまう。
しかし、そんな週末でも僕自身の人生の大事な時間だ。一人で部屋で鬱々していても仕方ない。単身赴任のこの7年間で、色々考えて少しづつ楽しみ方を覚えてきた。
3.子供の成長を側で見守れない
僕が単身赴任を始めたのは二人の娘が中学3年と中学1年の時。
もう親にベッタリという歳ではなかったけど、幼い頃とは違った手間が色々とかかる時期だった。
そんな娘の世話を妻に任せて一人家を出なければならない。娘の成長を傍で見守れないのは何とも寂しく、妻には申し訳ない気持ちだった。
しかし、家族に会えるのは月に一回程度となってしまったが、父親がいなくてもちゃんと自分の世界を確立して、逞しく生活する娘達に頼もしさを感じた。こういう感覚はむしろ、月に一回しか会えないからしみじみと感じ入ったのかもしれない。
また、ありがたいことに娘達にこれといった反抗期はなく、いつ帰っても学校であった出来事とかを話してくれたし、僕の話も面白がって聞いてくれた。これもまた、離れて暮らしていたからこそなのかもしれない。
まとめ〜単身赴任のデメリットを面白がろう

かように、単身赴任にこれといったメリットなどなく、デメリットばかりで、強いて言えば副産物的に生活力が上がるといった程度のことだ。
だから単身赴任を終えて、再び本宅に戻れる日を心待ちにしている。
しかし、だからといって今の生活が嫌で嫌で仕方ないのかというと、決してそういう訳でもない。
元々楽天的かというか、あまり物事を深く考えるのは面倒臭いと思ってしまうタチなのだ。単身赴任せざるを得ない状況になったら、「ま、仕方ないな。何とかやってみよう」と考えてしまう。
それに人間というのは恐ろしいもので、どのような環境にあってもしばらくすると慣れてしまうのだ(さっき週末の寂しさには慣れることがないとは書いたけど)。
それともう一つ。これは僕自身の勝手な考えなのだが、人生に安定とか不変ばかりを求めていたらつまらないではないか。
人生は旅だ。思いがけない方に流れて行くから楽しいのだ。
自身で単身赴任を決めた以上、運命を呪っても、これから先を悲観しても仕方ない。デメリットだらけの単身赴任期間中も大切な人生の一期間だ。まずは健康であること。デメリットを面白がり、色々工夫しながら、生活の中に小さな楽しみを見つけてぼちぼちやっていこう。