たまには、寄り道しながら本宅に帰るのもおすすめだ

長野の単身赴任先から栃木県北の本宅まで、月に一回程度車で帰っている。

単身赴任を初めてしばらくは新幹線で帰っていたが、半年ほど経った頃車を買い替えた。スバルである。

これがなかなか優れた車で、高速道路はスイッチひとつ押してハンドルに手を添えておけば、あとはほぼ何もしなくともスバルが栃木まで連れて行ってくれるのである。

しかし同時に僕は車好き、運転好きでもある。車に運転を任せておいてもすぐに飽きてしまう。結局途中でスイッチを切り、あとは自分で運転してしまうのである。車の方が時間の融通も効くし、スバルを買って以降は車で帰ることがほとんどになった。

それと、単身赴任も3年も続けていると毎回同じ高速道の往復というのもだんだん飽きてくる。

そんな僕が昨年からたまに楽しんでいるのが、最短ルートの高速道路をあえて途中で降り、迂回の一般道ルートで遠回りして帰ることである。先月は金曜日を休暇にして3連休が取れたので、早朝に長野を出発して菅平→嬬恋→長野原→渋川→桐生→太田までの区間、全行程の大体半分くらいを山越えの一般道で帰ってきた。あいにくの強い雨であったが、これが実に楽しかった。山の景色は変化に富んで飽きることがないし、途中で僕の大好きな廃線跡に寄り道したり、八ッ場ダムを見学したり、長いことやっていそうな古びた食堂で昼飯を食べたりして、ちょっとした小旅行気分を満喫したのである。

50年前に廃線になった旧太志線の終点、太志駅跡。近年綺麗に整備された。

時間はかかった。普段は3時間くらいで到着するところ、7時間くらいはかかった。

単身赴任を始めてからしばらくは早く家族の元に帰りたいと脇目も振らず急いだものだが、帰る回数を重ねるにつれ、たまには寄り道してみっか、という余裕が出てきた。

新幹線で帰る時も、途中の高崎で在来線に乗り換えて小山まで在来線で来た事もある。両毛線という在来ローカル線なのだが、これの車窓がとても良かった。ドライブも好きだが乗り鉄も大好きなのである。こちらも時間はかかったが、機会があれば是非また乗ってみたいと思っている。

通勤電車の帰路、いつも降りる駅から2〜3駅手前で降りて歩いてみたら、電車からは見えなかった飲み屋や商店街を見つけて新鮮な発見があった、という経験をされた方がいるのではないだろうか。僕のやっているのはそれの延長線上である。

僕が物好きであることは自認している。多くの単身赴任者にとって、一刻も早く本宅で待つ家族のもとへ帰りたい、というのが普通であると思う。しかしたまには、あえて遠回りして、大人になってから久しく忘れていたちょっとした冒険気分を味わうのも決して悪くない。何せ本宅に帰る途中だから、わざわざ出かけるのと違ってお金がかからずに見聞を広めることが出来る。

なんでもない日々のルーティンの中にも、楽しさというのは見つけ出すことが出来るのである。

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Tanoyatsu

40代半ば、妻と二人の女の子を残し、長野に単身赴任中。料理・掃除大好きのおばさん力高め男子。趣味は料理の他・ジョギング・水泳・乗り鉄。数年前から断捨離・ミニマリストに興味を持ち、「モノを極力持たないライフスタイル」をゆるめに実践中。