【クルマ好き・単身赴任・ミニマリスト】である僕のクルマ事情
「ミニマリストになって、それまで生活に不可欠と思い込んでいた自動車を思い切って手放してみたら本当に身軽になった」という方の話をネット上で時折見る。
自動車は大きい。物理的に大きいのは勿論、家計的にも支出の大きな割合を占める。一方、自動車を持つことの恩恵も大きい。通勤や買い物で日常的に自動車を使う人にとって、自動車の存在というのは人生の一部みたいなものである。だから自動車を持つ生活をずっとしてきた人が、いざ車を手放すというのは大袈裟に言えば人生が大きく変わる、というくらいの変化ではないかと思う。
僕は車を思い切って手放した方の話を聞くと、いつも憧れに近い感情を抱く。
車を所有する一日あたりのコストは
何せ車というのはとにかく金を喰う。車種や使う頻度にもよるが、車を一台所有するということは購入費用・ガソリン代・駐車場代・保険料・車検・オイル交換・タイヤ交換まで考えると、大衆車でも一日あたり平均¥2,000〜¥4,000のコストがかかる計算なのだという。
我が家の場合、僕と本宅の妻と一台づつ車を所有しているので、少なくとも一日あたり¥5,000くらいを車に払っていることになる。もしもこの支出がなくなったとしたら、どれだけ家計にゆとりが生まれることだろうか。
一方、車を手放す生活が可能なのは、鉄道やバスなどの交通インフラに恵まれた大都市に限られた話で、地方で暮らす場合は車がないと極めて不便、というのも事実である。
長野市でミニマルライフを楽しむ僕は、車を持っている。持っている車は「スバル アウトバック」という中型乗用車である。合理的に考えれば、単身赴任先でほぼ僕一人で乗るのだからこんなに大きな車は不要である。
日常の足としてであれば軽自動車やコンパクトカーでも十分なのだが、あえてこの車を選んだ理由は、「長野での生活の相棒としてこれに乗ったらカッコいいな」という、極めてミーハーなものである。
ちなみに、長野市内で車なしの生活は、住む地域と勤務地によっては十分可能である。バス路線が網羅されているし、長野電鉄という私鉄も走っている。しかし僕の今の生活スタイルからすると自動車は必需である。
僕の車好きの歴史
僕はミニマリストになってからはせいぜい5年程度であるが、車好きは幼少の頃からだから、もう45年くらいになる。乗用車に限らず、バスもトラックも、鉄道も、要するに陸上を走る乗り物であれば節操なく大好きだ。
これまでの人生、特に40歳くらいまでは、欲しい車を買う・所有するということが仕事の大きなモチベーションになってきた。今では車熱はだいぶ下がってきたが、それでも今、僕の生活から車を取り上げられたらかなりのダメージであろう。従って、今は事故で車を失うとか、違反で免許を取り上げられるような事態を最大限避ける運転を心掛けている。
ちなみに、僕は車好きではあるが、車をあれこれいじったり、ドレスアップすることには全く興味がない。車のデザインというのはノーマルのオリジナルが最良と考えている。また、多くの仲間とツルんで走るのも苦手だ。一人、あるいは家族で遠くにドライブ、これが一番楽しい。それと、車のある生活を想像するのが楽しい。具体的には、冬の白馬にパタゴニアを着てアウトバックで出かけて、雪景色を見ながらコーヒーを飲んだりしたら楽しい休日になるだろうなどと想像するのである(実行するかどうかは別として)。
僕は車というのはパーソナルであることこそ一番格好良いと考えている。大人数が乗れるミニバンは全く欲しいと思わない。実際に僕の子供が幼稚園児の時、周りはこぞってミニバンに買い替えたが、我が家はフランス製のハッチバックを購入した。
ミニマリストであっても好きなことに必要なものは持つ
「ミニマリズム」という観点からは決して合理的な選択ではない僕の愛車であるが、そもそも僕はミニマリストであっても手持ちの全ての物を最小限にする必要はないと考えている。だから何かのコレクターであっても、ミニマルライフを楽しむことは十分可能だ。今の自分の人生を楽しくしてくれる為に必要な物はちゃんと持ち、代わりに不要になったものは思い切って手放す。無くても何とかなるものは持たない。そうすることによって好きな物の存在感が増し、好きなことにかける時間もお金も確保出来るようになる。そんな生活、楽しくない訳がない。
車のない生活にも興味がある
というわけで、ミニマリストを自称しながら車だけは全然ミニマルではない車好きの僕の話であったが、もしも次の転勤先が車なしでも生活できる所であったら、その時は思い切って手放すつもりだ。大人になってからは常に車があるのが当たり前の人生であったし、大好きな車のない生活というのはちょっと想像がつかないが、今の自分からは想像もつかない新しい生活、これにも興味があるのである。何せこれまた大好きな鉄道に毎日乗れるのだから。
ミニマルライフにぴったりな車2選
最後に、ミニマリストに相応しい、ミニマルライフでこれに乗っていたら格好良いだろうと僕が勝手に思う車2台を紹介したい。
マツダ ロードスター
美しくコンパクトで低いボディにシートは二つ。屋根はオープン。しかも運転して最高に楽しい。実用性は高くなく、買うのに勇気がいる車であるが、こんな車が相棒の人生、最高ではないか。
スズキ ジムニー
シンプルな四角いボディだが、そのマスの比率は結構緻密に計算されている。そのおかげで軽自動車枠のサイズながらどっしりとした安定感がある。これも実質二人乗りだが、本格的な4WDを持っており、雪国では最強の相棒となる。