下手なりに趣味を楽しむということ
僕の目下の趣味はジョギングと水泳である。
だいたい週末は土日で合わせて20km強を走り、更に土曜日の夕方には市営プールで数百メートル程度泳ぐ。
これだけ見ると、「うむ、なかなかのスポーツマンだな」と感じてくれる方もいるかもしれない。
「若い頃からスポーツ好きだったのだろうな」と思われるかもしれない。
とんでもない誤解である。
僕は幼少の頃から、人には負けない運動音痴だったのである。特に走るなどということはもってのほかで、とんでもないことであった。
部活に青春を捧げる同級生をみて「スポーツに夢中になる奴は馬鹿だ」などと悪態をつくひねくれた少年だったのである。
それが何をきっかけに変わったのか。
一番は年齢と共に体型が変わって来たこと。もともと筋肉のない中肉中背だったのだが、30代後半から腹回りに贅肉がついてきたのである。
これはいかん。
筋肉がないのに腹だけ出ているというのは実に格好悪い。これではモテない(腹が出ていない時期にもモテたことはないけど)。
それでふと、「走ってみっか」という気になったのである。
そんなこんなで走り始めてから約7年ほどになる。これまでハーフマラソン大会にも6回ほど出場し、いずれも完走することが出来た。
これに一番驚いたのが妻と自分の両親である。「あれほど運動嫌いだったあなたがマラソン大会に出場⁉︎」「何か思い詰めているのではないか」「生き急いでいるのではないか」と当初は随分心配されたものである。
ま、僕のジョギングなんていうのは決してストイックなものではなく、当初は疲れれればすぐに歩くし、線路沿いでは電車の画像を撮るためしばらく待ってみたり(鉄オタなので)、コンビニでスイーツを買ったりして半分散歩のようなものであった。
そのようなジョギングでも、最初に出場した那須塩原ハーフマラソンでは1時間50分ほどでゴール出来た。これは運動音痴が最初にチャレンジしたハーフマラソンとしては上出来と言えると思う。
しかしあれから5年ほどが経ち、いくつものハーフマラソン大会に出場して来たが、いまだにタイムが短縮出来ない。ちょっと油断すると2時間を超えてしまったりする。
最初の頃に比べるとジョギングの距離も伸びたし、歩くこともグッと少なくなってきてはいるのだが。
恐らく長年の運動嫌いのせいで、体幹の筋肉が弱いのと、フォームにも問題があるのだろう。
走っている姿をショウウィンドウなんかで観察して、改善を試みたりはしている。しかし、自己流ではなかなか効果は出ない。
本当であればプロのコーチを乞いたいところだ。機会があれば是非にとは思っているが、やはりかかるお金のこととか面倒臭さを言い訳にして未だにやっていない。
でもそれでも走るのは楽しい。いや走っている途中は苦しいのだが、走り終えた後の爽快感、そしてその後の飯とビールの美味さ。そのために走っているようなものである。
「趣味であってもやるからには上達を目指す」。確かにそれは正しいし、僕自身も若い頃はそうでなくてはダメだと思っていた。しかし、一番大切なのは楽しむことだ。アマチュアのままで結構なのである。
ちなみに、走る最初のきっかけとなったお腹の贅肉であるが、美味すぎる飯とビールのためになかなか思うように減っていない。まあこれも結構だと思っている。