もう失敗しない、自宅でチャーハンを美味しく作るための4つのポイント

皆さんはチャーハンはお好きだろうか。

おかずを作るのはちょっと億劫という時でも手軽に作れ、満腹感も感じられるこのメニュー、自炊派単身赴任者の僕の食卓にもよく登場する。

しかしこのチャーハンという料理、手軽には作れるものの、上手く出来る時と上手くいかない時の差が大きい。特に家族4人分を一度に作ろうとすると、まず間違いなく納得のいく出来栄えにはならない。お店で食べるような、しっとりとしていながらパラパラのチャーハン、あれを目指しているのだが、なかなかあのようにはならない。

僕の敬愛する東海林さだおさんが、かつてエッセイの中で自ら作って失敗した炒飯を「油まぶし練り飯」と表現されていた。これほど言い得て妙な表現があるだろうか。

小学生の頃から料理好きとなった僕は、チャーハン作り歴35年となる。今ではようやく安定的にまあまあ美味しいチャーハンが出来るようになった。今回は数々の失敗を経て学んだ自宅でも美味しいチャーハンを作るためのポイントをお伝えしたいと思う。

チャーハン作りを成功させるための4つのポイントとは

1.ご飯のコンディションを整える

家庭におけるチャーハン作りの成否の一番のポイントになるのがご飯のコンディションだ。

僕はいつもパック入りのご飯を使っているのでご飯のコンディションは常に安定しているのだが、前日に自分で炊いて冷蔵庫で保管しておいた冷やご飯、これを使うときは注意が必要だ。冷えて塊状のままフライパンに投入してほぐすためにこねくり回していると、ご飯の表面のでんぷん質(粘り気)がご飯同士をくっつけてしまい、これが「練り飯」になる原因となってしまう。

寿司やおにぎりはこのご飯の粘り気を利用してまとめるのだが、チャーハン作りにおいてはこの粘り気こそが厄介なのだ。

冷やご飯を使うときは適度にレンジで温めて、粘り気を出さないようにさっくり混ぜておく。元々粘り気が強いご飯の場合は、ご飯をザルに入れてさっと水洗いしてしまうという裏技もある。

また炊き立てのご飯を使う場合は、少し冷ましてから炒めた方が上手くいく。

2.油は躊躇せずに使う

僕は20代の頃に上海に行ったことがあるのだが、その時に驚いたのが本場中華料理の油の多さだった。何せ現地の大衆食堂で注文した料理を食べ終えると、どの料理の皿の底にも油がなみなみと残っているような状態だったのだ。

また、残念ながら今年閉店してしまったが、長野市内にも安くて美味しくボリュームたっぷりの中華料理店があった。そこの料理人は中国人の青年だったのだが、やはり使う油の量はかなり多めで、皿に盛り付けられた料理には透明な油の縁取りがあるという塩梅であった。かといって胃にもたれるようなこともなく、いつも唇をテカテカにしながら美味しく平らげたものだ。

かように、中華料理というのは本来、油をたっぷりと使うものなのだ。

チャーハンに使う油も、ご飯の澱粉質が持つくっつこうとする性質を防ぐ、という意味合いがある。美味しいチャーハンを作りたいのであれば、油は躊躇せず使うことだ。ただ、食べ終わっても皿の下に油が残るようではさすがに家庭料理としては多すぎるだろう。チャーハン一人前であれば、大さじ1が丁度良い量だと思う。

カロリーが気になる?油を中途半端に減らした美味しくない大盛りチャーハンよりも、油をしっかり使った美腹八分目の量の美味しい炒飯の方が、体にも良いし幸せではないか。

3.材料をフライパンに投入する順番

チャーハン作りのレシピは様々あるが、僕は油→卵→ご飯と具材の順番に入れる。卵を最初に炒めてから一旦取り出すレシピもあるが、チャーハンの美味しさは油を含んだ卵とご飯のマリアージュにあると考えているので、一緒に炒める。具材はご飯と同時に入れる。ただし、生のひき肉やこま肉を入れる場合は、あらかじめ炒めて取り出しておいて、ご飯と一緒に入れる。

4.味付けはご飯を炒め終えてから

早い段階で味付けをしてからさらに炒めようとすると、なぜかご飯がベタついてしまう。味付けはご飯をじゅうぶん炒めてから、出来上がり直前にすることだ。

実際に作ってみた

今回作ったのは、卵と長ネギだけの一番シンプルなミニマルチャーハン。

今回使う材料はこれだけ。

ネギは長ネギでなくてタマネギでも良い。他にチャーハンに合う野菜は人参・ピーマン・ニラ・シイタケやブナシメジなどのキノコ。キムチや沢庵、野沢菜などの漬物も合う。ハムやチャーシューといった肉類、エビや焼いた塩鮭やシラス・ジャコなどの魚類、カニカマやナルトといった練り物などのタンパク質を入れれば、チャーハン一品でも栄養バランスに優れた夕食の献立が出来上がる。

しかし、とりあえず卵とネギさえあれば、十分に美味しいミニマルチャーハンが出来るのだ。

調味料は塩・コショウ・酒は必須。あれば鶏がらスープの素。醤油は入れても入れなくても良い。醤油を入れると食堂風・家庭風のチャーハンになるし、入れなければ本場風になる。今回はミニマルチャーハンなので入れず。

調味料は手早く入れられるように、手元に準備しておこう。ちなみに僕はいつも不精して手元において置かないので、モタモタしているうちに炒め過ぎてしまうことがしばしば。

長ネギ3cm分はみじん切りにし、卵は割ほぐす。ご飯はさっくりとほぐして、長ネギはご飯の上に乗っけておく。他にも具があれば、全部ご飯の上に乗っけておくといい。

フライパンに大さじ1の油を入れて火力は強火。

十分熱くなったら卵を投入。すかさず、

ご飯も投入。

菜箸でご飯や卵の塊ををほぐすように炒めていく。木ベラだとやりやすいが、僕は菜箸だ。なぜなら木ベラを持っていないから。

一分くらい炒めたら、調味料を手早く入れ、ざっと混ぜれば出来上がり。

なんとも地味な見た目であるが、とっても美味しいチャーハンが出来たよ。

家庭でチャーハンを美味しく作る最大のポイントは、大人数分をいっぺんに作らずに少人数分づつ作ることだ。すなわち、単身赴任者にとってチャーハンというのは最もふさわしい料理の一つであることは間違いない。

また、手軽に本格的な美味しいチャーハンを食べたいということであれば、「炒飯の素」というとても便利な製品が各社から出ている。これをあれこれ試してみるのも楽しいだろう。

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Tanoyatsu

40代半ば、妻と二人の女の子を残し、長野に単身赴任中。料理・掃除大好きのおばさん力高め男子。趣味は料理の他・ジョギング・水泳・乗り鉄。数年前から断捨離・ミニマリストに興味を持ち、「モノを極力持たないライフスタイル」をゆるめに実践中。