「これ欲しい」という衝動は、3回まで我慢してみる
ミニマル単身赴任生活を初めて3年ともうすぐ3ヶ月。
単身生活を始めるにあたってはひと通りの買い物をしたが、その後はほとんど買い足さずにやってきた。
唯一、大きな買い物が3年目の昨年末に購入した中古の洗濯機である。これは買ってよかったと思っている。毎週車でコインランドリーまで往復するのがなくなり、貴重な休日の時間の大きな節約になった。もっとも乾燥だけは今でもコインランドリーを使っているが。
なぜ3年目にもなって洗濯機を購入したのか。その経緯についてはこちらをご覧頂きたい。
不運にも2週連続でコインランドリーのトラブルに見舞われたというのが大きなきっかけであるが、それまでも何度か洗濯機買おうかな、と逡巡したことはあった。
ミニマリストを自称してはいるが、ネットや雑誌を見て、「これあったらいいな、欲しいな」という衝動に駆られることは今でもしょっちゅうある。モノに対する興味を失ったわけでは決してないのである。しかし、高いものでなくともその都度それらを買い求めていたのではあっという間に部屋はモノで溢れるし、お金もいつまでも貯まらないだろう。
そのような衝動とどのように向き合い、コントロールするか。
僕はそのような衝動を与えられたモノと出会った時、その場で即決はせず「ちょっとクールダウンしよう」と考えるようにしている。
ほとぼりが冷めた頃、自分の中にまだ欲しい気持ちがある時、手に入れるためにかかるコスト、手に入れることによってついてくる不便、例えば洗濯機を買ったら洗剤や柔軟剤も切らさないように準備しておかなければならない。それを手に入れて果たしてどれだけ自分の生活が幸せになるか、それぞれをじっくり比べて考える。
3回目、それでも欲しければ、「いいんだな、本当にいいんだな、モノが増えてお金はなくなるんだぞ」と自分に問いかける。それでも欲しいとなれば買っても良いとしている。
しかしこのふるいにかけると、ほとんどのモノは「ま、なくてもいいか」という結論に至る。
例えば単身生活を始めて少し経ったころ、一人がけのソファが欲しくなった。
食後、ダイニングテーブルではなくソファに座ってくつろぎたいと思ったのである。僕はこういう場合、間に合わせにその辺のホームセンターやディスカウントストアなどで安価なものを買うことはしない。部屋の統一感というのは大事にしており、他の家具と同じ無印良品のが欲しい。無印のソファは決して安くはない。
部屋が狭くなること、掃除の際に移動させるのが面倒なこと、単身赴任が終わった時の処分などを考えると、結局買わずに今まで来てしまった。しかしソファが欲しい衝動は今でも時々やってくる。もしかしたら来月あたり買っている可能性もある。ま、それならそれでいいと思っている。
当然のことだが、ものを買うということは引き換えにお金を払うことであるし、所有することによる不都合もセットになってくっついてくるということである。欲しい欲しいという衝動に襲われている時は、その不都合が見えなくなる。僕自身、それで何度も失敗してきた。その失敗を経て、ミニマリストのはしくれとして持たない自由、持たない快適というのを楽しんでいる。そして吟味に吟味を重ねて購入したものは愛着もひとしおだし、手入れしながら長く使おうという気になるのである。
※ちなみに冒頭のベンツの画像は僕の愛車ではなく、購入を検討しているわけでもなく、単に今朝ジョギングでディーラー前を通りがかった時に撮影したものである。