BERMAS(バーマス)のスーツケースを選んだ理由
単身赴任にあたって、月一回程度の本宅への帰宅のためにスーツケースを購入した。
条件としては、容量は1〜3泊分の衣類が入る程度のコンパクトサイズ、価格は2〜3万円、中年が持って恥ずかしくないデザイン、ということである。
いろいろ調べてみると、まずリモワという高級なブランドがある。確かにクールで格好いいが、コンパクトサイズでも7〜10万円程度する。流石にスーツケースにそこまでは出せない。
次に、ちょうど予算に近いあたりで多種類を展開していたのが「サムソナイト」である。信頼性も高そうに感じた。しかし、どうもデザインも色も僕の好みからすると若干派手に感じられた。
単身赴任にあたってテーブルや生活雑貨をいろいろ購入した無印良品はどうか。価格帯は手頃だが、このデザインはミニマムに過ぎ、色気がなさすぎる。
また安いからと言って量販店に売っているような1万円程度の、若者向けブランドのロゴが入っているようなのは勘弁だ(我ながら面倒臭い奴だと思う)。
あーでもないこーでもないとブツブツ言いながら探していた面倒臭いおじさんの目に止まったのが、
「BERMAS(バーマス)」である。
ドイツで90年ほど前に発祥したスーツケース専業ブランドで、1994年のリレハンメル冬季五輪・1996年のアトランタ五輪ではドイツチームの公式スーツケースを製造したという輝かしい歴史を持っている。現在では日本のカバンの名産地・兵庫県の豊岡の衣川産業という会社がブランドを受け継いでいるらしい。もっともMade in Chinaであるが。
実際に東急ハンズに行って実物を見てみた。
軽くて耐久性に優れるポリカーボネイト製で、細かいスリット(溝)が施されたデザインがシャープな印象を与え、表皮の細かいシボ加工のお陰で安っぽいテカテカさはなく、価格以上に上質に見えるポイントとなっている。またシックな発色も大人が持つのに相応しい。何よりもシリーズ通じて共通のデザインコンセプトが貫かれており、知っている人が見れば「あ、BERMASだな」とわかるデザインである。
TSAロックも付いているので、米国へ出張の際にも安心である(もっとも、米国に行ったことも行く予定もないのだが)。
というわけでその場で購入した。
機能的な優劣を各メーカーごとに細かく比較したわけではないのでよくわからない。ただスーツケースの機能面の差は、
軽さ・キャスターの頑丈さ・把手の頑丈さ
がポイントとなるようである。
その点、BERMASのネット上での評判は悪くない。もっとも、月に1回程度の使用頻度ではその性能差を実感できる程の差はないようでもある。
スーツケース内部のポケットには保険証やパスポート、普段は使わないカード類、印鑑などを収納している。その為、僕の部屋には貴重品を入れる収納用品は不要である。
BERMASという、高級ではないが質実剛健、しかもそれほどメジャーではないブランドのスーツケースを選んだことを僕は極めて満足している。その主たる理由は見た目の上質さとその歴史である。要するに自己満足である。しかし、自己満足とは極めて大事なことだと、面倒臭いおじさんである僕は思っている。