ミニマリスト ラジオを買う
ラジオはいつも僕の青春のそばにあった
僕は中学3年から高校卒業までの4年間、札幌で暮らしていた。
当時は北海道のテレビ・ラジオ共に地元局がとにかく元気で、バブル景気の只中であったこともありローカル番組をバンバン作って、全国ネットの番組に負けない人気を博していた。
特にSTV(札幌テレビ放送)という日本テレビ系列の局が元気で、系列のSTVラジオも含め、人気番組を担当するアナウンサーは地元ではちょっとした芸能人並みの人気があった。
僕が熱中したのがSTVラジオで深夜12時からやっていた「アタックヤング」というプログラムである。まあ今考えればくだらない内容ではあったが、勉強しながら、ぼーっとしながら、常にラジオを聴いていた。
間違いなく僕の青春はラジオと共にあったのだ。
ラジオを買うに至った理由
あれから30年近く。
単身赴任の一人の部屋に帰ると、とりあえずテレビのスイッチは入れるが、いつもちゃんと見ているわけでもない。ご飯を食べながら、iPadを見ながら、シンとしているのは寂しいのでBGM代わりに点けているようなものだ。
それであれば、ラジオの方が良いのではないかと考えた。
ラジオはiPad でも聞けるが、月20ギガの契約であるので(※当時)いくらでも自由に聴く、というわけにはいかない。
モノは極力増やしたくはないが、ラジオを買うことにした。ちょうど単身生活を始めて1年が経った頃である。
僕がラジオを買うにあたって重視したポイント
ラジオを買うにあたって重視したのが、音質はそこそこで良いので、とにかく僕のミニマルルームに合うシンプルで格好いいデザイン、ということである。
もう一つ、眠りにつく時に聴きたい場面もあろうかと思い、オン・オフタイマーが付いている、ということだ。
いかにも僕らしい、ミーハーなポイントであるが、ネットで探したら僕の心に刺さるラジオはすぐに見つかった。
SONYの「ICFーN780N」というモデルだ。
SONY ICF-M780Nとは
AM/FMとラジオNIKKEIが聞けるポータブルラジオ。オートプリセット機能でそれぞれ5つまでのチャンネルが登録出来る。
コンパクトなボディながら直径10cmのスピーカーを備える。コンセントでも乾電池でも使用出来る2電源対応。
ボディ全面にはAM/FM/ラジオNIKKEIの切り替えボタン、タイマーのボタンが配置され、上面には電源ボタン、チャンネル切り替えボタン、側面には音量調整のダイヤルが配置され、直感的に操作しやすいデザインとなっている。
往年のトレンドリーダーであった時代のSONYを彷彿とさせる、シンプルでクールなスタイル。これだけで一目惚れしてしまった。
コンパクトなボディながら10cmと大きいスピーカーのお陰で、音質がとても良い。専門家ではないのでうまく表現できないのだが、「いかにもラジオ」という柔らかい音質で耳触りが良いのだ。
僕がよく聴くのはNHK FMである。仕事から部屋に帰ってラジオのスイッチを入れると、ガランとした部屋に懐かしい音楽と静かな語り声が響いてくる。テレビは生活のBGMとしてはうるさすぎるが、ラジオはちょうど良く、とてもホッとする。昔とプログラムは全然違うが、ラジオのスイッチを入れた時の、このホッとする気持ちは変わらない。
30年も前の青春時代を思い出しながら、良い買い物をしたと一人満足するのであった。
※残念ながら2020年頃に生産中止となってしまった。しかし今でも根強い人気があるようで、未使用品の価格は高騰している。