ミニマリスト・ミニマルライフは時代に合わなくなりつつある?

なぜ?ミニマリストをやめてしまう人が増加中

ミニマリストの皆さんのブログを見るのが好きだ。

やはり同じ価値観を持った同士がどのような生活を送っているのか、どのような考えを持っているのかというのは興味を惹かれる。

ミニマリストが日本で新語・流行語大賞に選ばれたのが2015年であるらしい。それから5年が経ち、大分ミニマリストというものが認知されてきたように感じる。一方、「ミニマリストをやめた」というSNS上での記事も結構目にするようになったし、ミニマルライフで多くのフォロワーがいたブロガーが突然マキシマリストに転向して話題になった。

やめた理由として、「捨てる物がなくなって飽きた」「生活が不便になってかえってストレスになった」「家族が増えて物が増えた」など様々であるが、決定的なのが今回の新型コロナウィルスを筆頭とする社会不安による、生きていくために必要な物の供給に対する不安である。

ミニマリスト・ミニマルライフというのは物流が円滑に行われている平時だからこそ成り立つもので、今回のコロナ禍でマスクやトイレットペーパーといった生活に不可欠な物資が不足した、という経験を経て、やはりミニマリストでは心許ないという思いを抱いた人がたくさんいたのだろう。

もはやミニマリストという生き方は時代にそぐわなくなった、という論調さえ目にする。

果たしてそうだろうか。僕は決してそうは思わない。

不安が多い今の時代こそミニマルライフを勧めたい理由

確かに僕も今回の社会不安に遭遇するまでは食品のストックなんてほぼ無かったのだが、今は1週間程度は買い物に行けなくても生きていける程度はストックするようになった。

だからと言って決してミニマリストをやめたというつもりはない。

環境の変化に伴い、自分にとっての必要最低限の基準は変化したが、それでも余計なものは持たない、というミニマリストとしての基本の考え方は変わっていない。

むしろ、ミニマル思考を持っていればこそ、1週間生きるためにはこれだけあれば十分ということが明らかになるので、無闇に不安になることも、必要以上に買い貯めて他人を困らせることもない。

ミニマリストの第一人者・佐々木典士さんの、小さなテーブルと椅子以外何もない部屋の画像、あれを見てミニマリストはかくあるべき、そうでなければミニマリストと名乗る資格はないと思っている方がいたとしたら、それは大きな誤解であると申し上げたい。

そもそも当の佐々木さんもこのように言っている。

「“ミニマリスト=持ち物が少ない人”と考える人がほとんどだと思いますが、僕は本質ではないと思っています。もしモノを1万個所有している人がいたとして、その人がそれぞれの持ち物に対して本当に必要性を感じていれば、僕はその人もミニマリストと呼んでもいいのではないかと思うからです。他人の評価軸でも客観的な個数でもなく、何が自分にとって必要なのかを自らが決めているということが一番重要なのです」

https://media.lifull.com/stories/2019072662/

コレクターでもミニマリストになれる

例えば新しい趣味としてサーフィンを始めたとする。サーフボードの他に、ウェットスーツもカバーもワックスも必要であろう。車にサーフボードを乗せるためのキャリアも必要になるし、行き帰りの服装だってそれに相応しいものが欲しくなるかもしれない。物の数は当然増える。

その代償としてミニマルライフとは決別しなければと考えているのであれば、そんな必要はサラサラないのである。なぜなら、それらは新しいあなたの生活に必要な物だから。

ただ、もう何年もやっていない趣味の道具が部屋の片隅で埃をかぶっていたとしたら、それは思い切って処分した方が良いと思う。

だから、僕はコレクターであっても十分ミニマリストになれると思う。自分の生活から不要なものをなくせば、大切なコレクションも一層輝きを増すのは間違いない。

身の回りに置くものは今の自分にとって必要な物、今の人生を充実してくれる物だけにする。このルールさえ守っていれば多少物が減ろうが増えようが、立派なミニマリストだ。

まとめ ミニマルライフは禁欲ゲームではない

ミニマルライフとは「禁欲ゲーム」ではないし、「ミニマリストを名乗った以上このように生きなくては」などと自分自身を縛る必要もない。今の自分の生活にとって本当に必要なものを明らかにし、身軽に快適に生きる、ただそれだけのことである。捨てるのに飽きたら一時休んだって構わない。せっかく一度興味を持ったミニマルライフであれば、やめるなんて勿体無い。

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Tanoyatsu

40代半ば、妻と二人の女の子を残し、長野に単身赴任中。料理・掃除大好きのおばさん力高め男子。趣味は料理の他・ジョギング・水泳・乗り鉄。数年前から断捨離・ミニマリストに興味を持ち、「モノを極力持たないライフスタイル」をゆるめに実践中。