バーマスのスーツケースが6年で壊れて(壊して)しまった件
先月、愛用していたBERMAS(バーマス)のスーツケースが購入してから6年ちょっとで壊れてしまった。
伸縮バーが伸びた状態から縮まなくなってしまったのだ。
物持ちの良さが自慢の僕は、洋服や靴は10年くらいは着るし、昔持っていたイタリア車も18年18万キロ乗った。
僕が物を買う時の基準は、長く使えるかどうかということだ。単に物理的に破けたり、壊れたりしないというだけではない。3年くらい経って「ちょっとこれ身につけるの嫌になってきたな」というのではダメなのだ。トレンドに左右されず、10年後も定番として恥ずかしくなく使えるかどうかを吟味して買うようにしている。
僕がスーツケースとビジネスバッグを愛用しているBERMAS(バーマス)というブランドは、決して高級ブランドではないし、ビジネスマンの憧れを集めるようなブランドでもない。
地味なブランドではあるが、下手に飾ることのない、質実剛健で尚且つ質感の高さを感じるデザインが気に入っている。ドイツ発祥のブランドだが、今では日本の老舗の豊岡鞄という会社が引き継いでおり、品質にも信頼がおけそうなイメージを持っている。
僕はこのスーツケースを最低10年、あわよくば死ぬまで使い続けるつもりでいたので、今回壊れてしまったのは心外だったし、少なからずがっかりもした。
しかし少し調べてみたら、今回のトラブルに関してはBERMASに責任があるのではなく、無知な僕の扱い方がまずかった。基本的な取り扱いの仕方を守るかどうかで、スーツケースの寿命はうんと短くもなるし、長くもなることを知ったのだ。
自らの反省を踏まえて今回はそれについて書いてみたい。
僕のスーツケースはどうして壊れたのか
先月の日曜日の夜、栃木の本宅から仙台の単身赴任先に戻る時であった。妻が持たせてくれた料理や本宅の近所のおばちゃんからお裾分けされたタマネギなどが入ったスーツケースはパンパンで結構な重量があった。バーを伸ばしてスーツケースを傾け、2輪で引きづるように歩いていた。仙台駅の階段では、後ろから人が次々に押し寄せるような状況だったので、伸縮ベルトを持ったまま降りた。今思うと、かなりバーに負担がかかる状態であった。あろうことか僕は、このような使い方を日常的にしていたのである。BERMASの人が見たら、激怒されるかもしれない。
マンションの近くまでたどり着いた時、舗装の悪いところでスーツケースのハンドルから手が離れてしまい、スーツケースを地面に落としてしまった。かなり重いスーツケースは、ガツンと大きな音を立てて地面に叩きつけられた。今思えばこれがトドメになったのかもしれない。
部屋に戻って、やれやれと荷物をクロゼットに収納し、いざスーツケースのバーを縮めようとしたら、どうしてもハンドルが途中で引っかかって縮まない。あれおかしいぞとハンドル部分をガチャガチャやったり、叩いたりしたがびくともしない。今度は優しく撫でたり、さすったりしてみたがどうやっても縮まない。
よく観察してみると、伸縮バーの途中にはいくつかの小さな穴が開いており、使用時はその穴にプラスチック製の爪が引っかかって動かないようになっており、伸縮時にはグリップ部分のボタンを押すことでこの爪が引っ込んで伸縮出来るような作りになっている。
この爪の片方が、ボタンを押しても爪が引っ込まなくなっていたのだ。これじゃ縮めることは出来ない。
自分で出来る範囲で分解してみたのだが、素人の僕にはとても手に負えそうにない。
修理することも考えたのだが、来週から連続出張が控えており、修理に時間がかかるのはまずい。それにネットでスーツケースのハンドル修理した場合の料金を調べると、あと7,000〜8,000円程度払えば新品のBERMASが購入出来てしまうようなのだ。
と言う訳で止むを得ず新品のBERMASを購入することにした。
壊してしまったのと同じ「HERITAGE(ヘリテージ)」というモデルだが、モデルチェンジされたらしい。
今回買った新モデルは、ロックがキーからダイヤル式に変更されていたり、キャスターのストッパーが新たに付けられていたりと利便性が向上している点は嬉しい。僕が壊してしまった伸縮ハンドルの爪も金属製に変更されていて、強度の向上が図られたようだ。
しかしサイド面のハンドルが廃止されていたり、表面の素材感がちょっと安っぽくなっていたりと、コストダウンの痕跡も見える。率直に言って、旧モデルの方が好きであった。仕方ない。
スーツケースの寿命を縮めてしまうNG行為
スーツケースというのは、あの小さなキャスターで舗装状態の悪いアスファルトの上を長時間引きづられたり、海外の空港なんかではかなり手荒く扱われたりと、ヘビーデューティを想定して基本的には丈夫に作られている。
しかし、それに甘んじて日頃からラフに扱っていると、思った以上に早く壊れてしまう。僕が行っていたスーツケースの寿命を縮めるNG行為を紹介しよう。
①重い物を詰め込む
本宅に帰るときのスーツケースは着替え程度しか入っていないので軽いのだが、単身赴任先に戻る時は妻が作ってくれた料理、お土産、飲みきれなかったお酒の瓶など重量物をスーツケースにパンパンに詰め込んでずっしり重くなってしまうことがままある。重量オーバーはスーツケースのキャスターやハンドルに負担を与え、寿命を短くしてしまう。重量物は詰め込みすぎず、キャリーオンバッグ(スーツケースの伸縮バーに固定できるバッグ)などを使って分散することが大事だ。
②伸縮ハンドルを使ってスーツケースを持ち上げる
これ、僕は日常的にやっていた。駅の階段でもハンドルを持ち帰るのを面倒くさがって、伸縮ハンドルを持ったままスーツケースを持ち上げたりしていた。スーツケースの伸縮ハンドルの中の部品はプラスチックで、決して強固ではない。重いものを詰め込んだ状態で伸縮ハンドルを使って持ち上げる行為を繰り返すのはスーツケースにとって負担になる。
③2輪の状態で斜めに引きずる
街中でよく見かけるのが、4輪のスーツケースの伸縮バーを伸ばし、スーツケースを前二輪で引きずって持ち歩く行為。この持ち方で歩いているとなんとなく持ち歩き慣れている「出来る」ビジネスマンになったような気がして、好んで行っていたのだが実はこれ正しい持ち歩き方ではないのだ。
4輪のスーツケースはあくまで地面に対して垂直に置いて、4輪を使って移動させるのが正しい。これだと重量を4輪のキャスターに分散できるので消耗が均等になって長持ちするし、周囲の人に対しても安全らしい。僕全然知らなかったです…
まとめ
スーツケースは、ちょっとした知識と扱い方次第でうんと長持ちする。逆に言えば、何も知らずにラフに扱うと、意外と早く壊れる、ということを今回学習した。
やはり無知であるということは生きていて色々損をするものなのだ。思わぬ出費は痛手だったが、今回の経験は授業料と思って、新しいBERMASは最低10年は使うつもりで大切にしたい。