「今日も足りてます、ありがとうございます」
この間、どこかのSNSで見た言葉だ。投稿者の祖母が毎日神棚に向かって手を合わせながら呟いていた言葉だという。
この言葉が、僕の心に強く残っている。
僕はミニマルライフというテーマでブログなんか書いているので、読者の中には僕を、「物欲から解放されている」というように誤解されている方もいるかもしれない。
とんでもない。
僕は決して物欲から解放されているわけではない。れっきとした俗人だ。そもそも俗欲から解放されていたら、こんな広告付きのブログなんて発信していないだろう。
だから常に欲しいものはあるし、欲しい物を手に入れるためにもっと収入を上げたいと思う。
ちなみに現在一番欲しいのは、スマートウィッチの「ガーミン」だ。
ガーミンを手に入れることで、趣味のジョギングのキロあたりの平均タイムを測ったり、月間の走行距離を記録したり、脈拍を測ったり、趣味の質を「もっと」上げられるではないかと期待している。
「もっと、もっとは人を不幸にする」、というのは僕の愛読書の作家のひろさちやさんの言葉だが、日本はずっと「もっともっと」「まだまだ」でここまで成長してきたのは紛れもない事実だし、その価値観はいまだに日本人の価値観を支配していると言える。
僕は会社員なので、会社の今年度の業績が目標以上に好調だったとしても、来年度はもっと高い目標を要求される。企業にとってはそれは当然のことだ。企業は売り上げも利益も成長し続けることを要求されるし、社員の給与だって上げていかなければならない。僕も管理職だから、その価値観で部下を導いていかなければならない。
企業にとっては「もっと、もっと」の価値観は必要だとしても、一個人としてはどうだろうか。欲しいものはあるし、もっと収入を上げたいと思う。でも今が足りなくて不幸なのかといえばそんなことはない。決して贅沢はできないけど、僕も家族もひもじい思いもせずに健康で楽しみを見つけながらちゃんと生きている。これ以上何を望むのかと問われれば、それは極めて些細で、人生にとってそれほど重要なことではない。
「今日も足りてます、ありがとう」、この言葉を心の片隅に置いておくことで、「もっと、もっと」の価値観に追われる日々とも何とか折り合いをつけて、乗り切れるような気がする。
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