豊かな貧乏 貧しい富裕

世界一貧しい大統領、と呼ばれたウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領が政界を引退したと先日ニュースで伝えられた。持病があり、コロナウィルスの蔓延を機に引退を決意したという。もとより、85歳という年齢である。十分働かれたと思う。

実は恥ずかしながら、今回の政界引退のニュースを見て、ホセ元大統領のことを初めて知ったのである。

ウルグアイには多くの日系人がおり、花卉栽培を教えてもらったりしてホセさん自身日本には強い好意を持っているのだという。

ホセ元大統領がスピーチやインタビューで語った言葉があちこちで紹介されている。どれも胸を打つ言葉ばかりだ。

その中で、特に印象に残ったのが下の二つである。

貧しい人というのは、物を持っていない人のことではない。真に貧しい人というのは、際限なくものを欲しがり永遠に満たされない人のことである

https://meigen.keiziban-jp.com/cordano

人は物を買う時は、お金で買っていないのです。そのお金を貯めるための人生を割いた時間で買っているのですよ。

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先進国のトップであれば、まずこの様な発言はしたくとも出来ないであろう。「理想論だ」と感じる方もいるかもしれない。

しかし収入のほとんどを恵まれない人のために寄付し、自らは大統領公邸ではなく、郊外の不便なところにある自宅に住み、古いVWゴルフに乗り、休日は自らトラクターを操り農作業に精を出すホセ爺さんは自らの言葉を自らの生き方で体現している。説得力が違う。

日本でホセ爺さんが紹介される時、必ず「世界一貧しい」という枕詞が付くが、ホセ爺さんが貧乏なんだとすれば、貧乏とはなんと豊かで格好いいものかと思う。

それに比べて僕はどうだ。ミニマリストを意識しているから、確かに物は少ない。しかし、その少ない物にはこだわって良いものを持ちたい。次はもっといい車に乗りたいし、ラーメンよりもチャーシュー麺が食べたい。

今より良い暮らしをしたい、他の人に良く見られたい、という欲望が残っている。

基本的に贅沢とは格好悪いことだ。これみよがしに高級車に乗ったり、高級時計を身につけたり、ブランドのロゴ入りのバッグを持ったり、板に付いていない贅沢ほど貧乏臭くて格好悪いことはない。

かつて自動車評論家の徳大寺有恒さんが著作の中で言っておられた。

貧乏は仕方ない、だけど貧乏臭いのは我慢ならないじゃないか。

間違いだらけのクルマ選び

それに心身を削って、家族との時間を犠牲にして働いて贅沢をしても、それで人生が豊かになったとは言えないだろう。

多くの人がそのことに気づいている。気づいてはいるけれど、現実的には明日からその様な欲望を全て捨てて生きる、というのも無理なことである。

実際、会社に行けばやはり人生の時間を割いてちゃんと働かなければならない。同僚にも得意先にも、家族にも迷惑をかけるわけにはいかない、と考えるからだ。それに皆が生きるために必要最小限のお金しか使わなくなれば、困る人が大勢出てくる。勿論、僕もその一人だ。

しかし、急に生き方を変える事は出来なくとも、ホセ爺さんのメッセージに触れ、これを心のどこかに留めておくことは十分に意味があることだと思う。

折しも、日本で作られたホセ元大統領の生き方を描いたドキュメンタリー映画が公開されるという。必ず見に行くつもりだ。

映画「ムヒカ 世界で一番貧しい大統領から日本人へ」公式サイト

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Tanoyatsu

40代半ば、妻と二人の女の子を残し、長野に単身赴任中。料理・掃除大好きのおばさん力高め男子。趣味は料理の他・ジョギング・水泳・乗り鉄。数年前から断捨離・ミニマリストに興味を持ち、「モノを極力持たないライフスタイル」をゆるめに実践中。

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