単身赴任の僕が初めて「一人カラオケ」に行ってみたら最高すぎた

この間、初めて1人で「カラオケ」に行ってみた。

そうしたら思った以上に楽しくて、もう最高だった。今回はそんなお話である。

この間の日曜日、ちょっと仙台の街中へ出る用事があって、地下鉄で出かけた。用事自体はすぐに終わってしまい、さて帰るか、いやせっかく街中に出てきたのだから少しブラブラするかなどと思っていたら、目の前にカラオケ店があったのだ。

そういえばカラオケなんてしばらく行っていない。コロナ以降は会社のメンバーと飲みに行く機会があっても大抵1次会で終わってしまい、カラオケ店に行く機会がない。子供が小さい頃は家族でもたまに行っていたが、最近はめっきり行っていない。

単身赴任を始めてから、ひとり飲み、ひとり焼肉、ひとり動物園は経験済みだけど、ひとりカラオケはまだ未経験だ。

そもそも、一度1人でカラオケに行きたいとはずっと思っていたのだ。よし、行ってみっかと思い切って雑居ビルの3階にあるカラオケ店へエレベーターで上がった。

エレベーターの扉が開くと、すぐ目の前が受付になっていて、数人の高校生男女が受付前にたむろっている。一瞬怯んでそのまま帰ろうかと思ったが、彼らも受付のお姉さんも特に僕を訝しがることもなく、無事に部屋へ入ることが出来た。

部屋に入っちまえばもうこっちのものだ。

一人カラオケに行ってみたいと思っていた理由

かねてからひとりでカラオケに行ってみたいと思っていたのにはれっきとした理由があるのだ。

青春時代に大好きだった曲なんだけど、50歳を過ぎて人前で歌うのは、たとえそれが家族であっても流石に恥ずかしいな、っていう曲皆さんにもないですか?久々にそんな歌を誰にも気兼ねなく思いっきり歌ってみたい。

と思って1曲目に入力したのが尾崎豊の「I Love You」。

青春時代にラジオで聴いて、なんて美しい曲だろうと感銘を受け、今でもあのピアノのイントロを聴いただけで涙ぐんでしまいそうになるが、妻や娘の前で「軋むベッドの上で…きつく躰抱きしめ合えば…」なんて歌うのはちょっと、いや大いに気恥ずかしい、年頃の娘に「パパキモい」と言われてしまうリスクも孕んでいる。しかし今は誰もギャラリーはいない。「かなーしい、うたーにぃ」のところも思いっきり裏声で歌ってやった。いやー爽快。

2曲目 また尾崎豊の「15の夜」。

これも間違いなく尾崎豊の名曲だが、いい歳して「盗んだバイクで走り出す〜」と歌うのは流石に倫理的に問題があるのではないか、と思ってずっと封印していたのだが、今回30年ぶりくらいに心置きなく歌って青春時代を思い出した。とはいえ青春時代にバイクを盗んだ経験はない。

3曲目 aikoの「カブトムシ」

aiko好きなんだよね。カブトムシに限っては歌唱力さえ備えていれば、会社の飲み会の2次会でおじさんが歌ってもギリギリ許される曲かもしれない。僕はその自信はないので今回思いっきり歌ってやった。

4曲目。中島みゆき「ファイト!」

中島みゆきも大好きだ。特にこのファイトは名曲だ。「闘う君の歌を、闘わない奴らが笑うだろう」という歌詞が中年男子のナイーブな胸に刺さり、歌うたびに泣いてしまう。今回も途中で涙が出て声が震えた。1人で泣きながら中島みゆきを歌っているおじさんの姿は、決して他人には見られてはいけない。

5曲目 小林明子「恋に落ちて」

これも好きな曲だ。しかし不倫シチュエーションの曲なので、単身赴任中に妻の前で歌うと浮気をしているのではないかと疑われるのではないかと思い、しばらく歌っていない(考え過ぎかな)。僕は不倫なんて面倒臭いしお金もかかるしで全くしたいとは思わないが、モテる男は羨ましいと思うし、嫉妬してしまう。

禁断の歌シリーズはこの辺にして、単純に好きな歌を歌い始める。

KANの歌は僕の青春の傍にあった

6曲目 KAN「東京ライフ」。7曲目も同じくKAN「めずらしい人生」。

「愛は勝つ」が大ヒットしたKANさんだけど、他にもいい曲沢山あるんだよね。

中学校の頃、深夜放送でKANさんを知って、それ以来のファンだ。残念ながら若くして癌で亡くなってしまったけど、間違いなく僕の青春にはKANさんの曲が傍にあった。

途中、隣の若者グループの部屋から、さだまさしの「関白宣言」が聞こえてきた。若くしてさだまさしを歌うとはなかなかじゃないか。思わず隣の部屋に突入して一緒に歌いたい衝動に駆られたが、必死にそれを抑える。しかし、あっちの歌がこっちに聞こえているということは、こっちの声もあっちに聞こえているということだ。僕の歌声が急に小さくなる。

その後何曲か歌って、最後を飾るのは松平健の「マツケンサンバ」。これは会社の飲み会の2次会でカラオケに行った場合に備えて、振付きで歌えるように練習しているため。カラオケ店に行く機会は滅多にないとはいえ、ちゃんと盛り上げるための備えはしているのだ。そういう意味では俺ってなんて誠実なのだろうと我ながら感心する。中年男子1人で振付でマツケンサンバを歌っている姿も、決して他人に見られてはいけない。ドアのガラスに通り過ぎる人影が映るたびに、ピタッと踊りを止める。

あっという間に1時間は過ぎた。あと1時間くらい歌いたい気持ちもあったが、腹八分目で次回の楽しみに取っておくことにする。代金は1時間でドリンクバーがついて¥600であった。ドリンクバーにはソフトクリームもついていた。

1時間でこれだけ楽しめれば、実に安いものではないか。

単身赴任者に一人カラオケをお勧めする理由

カラオケがお好きであればの話だが、僕は単身赴任者にこそ一人カラオケをお勧めしたい。

理由は、たまには腹の底から大きな声を出すことは心身の健康に取ってとても良いことだからだ。普段、大きな声を出す機会なんてなかなかない。僕らが若い頃は上司に大声で怒鳴られるなんてしょっちゅうだったが、いざ僕らが上司になった今、部下に大声で怒鳴るなんてのは御法度だ。カラオケで腹の底から大きな声を出して歌ってみると、実に爽快だ。間奏の時に「コラッ、大して仕事もしないくせに権利ばかり主張するなっ」などと、日頃腹の底に溜め込んでいる鬱憤を思いっきり吐き出してもいいと思う。

それに一人カラオケであれば、誰に気兼ねすることなく、昭和のアイドルソングだってオタクソングだって、何を歌っても誰から白い目で見られることもない。おじさんだってアイドルソングを思いっきり歌いたい時はあるのだ。

今は一人カラオケもすっかり市民権を得たようで、中年男子1人でふらっとカラオケ店に行っても、店員にも客の高校生にも特に怪しまれたりとか、警察に通報されたりとか、「あっちいけシッシッ」などという嫌がらせを受けることもなかった。

ひとりカラオケ、こんなに安くて楽しくてストレス解消にもなるのであれば、もっと早く始めればよかった。

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ちなみに自宅でも歌いたい方にはこんなのもあるみたいだ。

Tanoyatsu

50歳。単身赴任8年目。料理・掃除大好きのおばさん力高め男子。趣味は料理の他・ジョギング・筋トレ・古い食堂巡り・乗り鉄。10年ほど前から断捨離・ミニマリストに興味を持ち、「モノを極力持たないライフスタイル」をゆるめに実践中。