仕事が早く終わるので毎晩筋トレをしている

ここのところ、17時半の定時を前に仕事が終わってしまう状態が続いている。
こんなこと半年前には考えられなかった。
定時に仕事を終えられるなんて、公務員とか一流企業の話であって、中小企業で働く自分には縁のない話だと思っていた。
決して喜ばしい話ではない。いつまでもこんな状態が続けば当然会社は立ち行かなくなる。
しかし、今はじっと我慢するしかない。生活の心配はこの嵐のピークが過ぎてからである。
普段であれば仕事が早く終われば、喜び勇んでプールや本屋に行くところである。しかし、非常事態の今はそれも叶わない。
仕方ないので夕食だけ買いにそそくさとスーパーに寄り、家に着いてもまだ19時前である。
ジョギングに行っても良いのだが、夜になると肌寒く再び外に出るのは面倒くさい。
そこでここのところ毎晩筋トレを行っている。
もともとこの10年くらい、週に2〜3回程度は行っていた。筋トレといっても腕立て伏せや腹筋、スクワットといった自重トレーニングをローテーションで15〜20分程度行うという、ごく軽い物である。
しかし体というのは実に正直だ。軽い筋トレでも続けていたところ、それ相応に軽く筋肉がついてきたのである。
もともと体を動かすことが大嫌いで痩せている割にプヨプヨした実に情けない体だったのに、胸板が少し厚く、腕も少し太くなったのである。
これは自分でも驚くと共に、本当に嬉しかった。
「俺の体にも筋肉あった!」と思ったのである。
始めたきっかけは、10年くらい前、少し腹が出始めてきて「貧弱な体で腹だけ出てきたのは流石にヤバい」と焦りを感じたことである。最初は確か、腕立て伏せ10回程度が限界だったように思う。
なんとも頼りない筋トレではあったが、続けるうち少しづつ筋肉がついてきた中、そうあれは4年ほど前であったが、大学のクラスの同窓会があり、本当に20年ぶりくらいに会う顔ぶれもあった。
その中で、大学時代はスポーツマンで女子にもモテていた奴が、20年ぶりに会ったらすっかりおじさん体型になっていたのである。
「勝った」と思った。
マウント取った、と思った。
ただ彼は相変わらず女子には人気であった。マウンティングはもろくも失敗したのである。
仕方ない、世の中には理不尽なことなどいくらでもあるものだ。
話がだいぶ脱線した。というわけで、最近は毎晩筋トレを行っている。そして食事も、高タンパクの鶏肉やサバや豆腐を意識して食べている。
やはり週2回の頻度で行っていた時よりも、効果は現れている(ような気がする)。
決してボディビルダーのようなムキムキマッチョを目指しているわけではない。
しかし、少しづつでも筋肉がついてくると自分に自信がつくものだ。
何より、震災の時も感じたのだが、やはり父は強くなければダメだ。強くなければいざという時、自分も家族も守れないのだ。
ジョギングもそうであるが、いったん習慣化してしまった以上、サボると実に気持ちが悪い。それに1週間もサボると、明らかに筋肉が萎んでいるのがわかる。
やはり体は正直だ。
というわけで、今晩も喘ぎ声を上げながら一人の部屋で筋トレに勤しむのであった。