ちょっと長めの出張に出るつもりで単身赴任先に引っ越す

引越し業者を使わずに引越した
3年前、単身赴任が決まって程なく、本社の総務課長から電話がかかってきた。
課長「引越しはいつにしますか?引越し業者を手配しますので」
僕「いや、引越し業者は不要です。自分の車で引越しますので」
課長「えっ、自分の車でなんて無理しなくていいんですよ」
僕「いや、ミニマリストなんで大丈夫です」
課長「??」
というわけで業者を使わずに引っ越しをした。電化製品は地元の量販店で買って、届け先を単身赴任先に指定出来たので自分で持ち運ぶ必要はない。無印良品のネットストアで購入したテーブルと椅子も然り。となれば、引越しに際して自分で持ち運ぶのは衣類と少量の食器ぐらいなものである。スーツケースと、プラスチックの収納ケース2ヶに収まった。細々した生活雑貨は必要を感じたら買えば良いと考えた。
スリッパとトイレットペーパーだけは用意しておいた方が良い
しかし、引越し回数だけは人並み以上に多い僕の経験からいうと、スリッパとトイレットペーパーだけは予め準備しておいた方が良い。新居は掃除はされているとはいえ、土埃や花粉の多いこの時期、バタバタと出入りをしているとあっという間に足の裏が真っ黒になる。また慣れない土地での引越しのストレスで、急にお腹が痛くなったりする。トイレに駆け込んでほっとしたはいいが、直後に紙がないことに気づいた時の絶望は筆舌に尽くし難い。一本だけでいいからバッグに忍ばせておくといい。
所詮独り身の移動である。僕はちょっと長めの長期出張のつもりで身軽に引越した。
不用品を新居に持っていく?
もちろん、皆が皆僕のようなスタイルで引っ越し出来るわけではないだろう。自家用車を赴任先に持っていかない人もいるだろうし、自分では運べない大物を持っていく必要がある人もいるだろう。しかしこの時期は引っ越し業者も大変に忙しく、会社によっては3月下旬になってから急な辞令が出て、4月からの単身赴任までに引っ越し業者の手配が出来ず大変な思いをした、という人の話もたくさん聞いてきた。
そこにもう何年もやっていないスキーの道具一式とか、聞かないCDとか、何年も着ていない服なんかも全部一緒に単身赴任先に持って行こうとしていないだろうか。
そんなものを自分の懐ではないとはいえ、金と燃料とこの時期貴重な引越し屋さんの人手を使って運ぶのは馬鹿げている。
僕はすでにミニマリストに目覚めていたので、不用品はあらかた処分してはいたが、僕が不在の本宅に僕の不用品を残すのはなんとなく気持ち悪く、改めて吟味した。
インテリに見られるのではという期待
本棚にちょっと難しそうな哲学の本なんかが並んでいる。これらは読み始めたがあまりに難解で途中で読むのをやめた本なのだが、本棚に並んでいると何となくインテリに見られるのではという期待があり捨てられなかった。しかしこの本を並べておいても「あなたインテリですね」と言われた経験は一回もなく、妻に「読まないなら捨てなさい」と何度も責められていたのでこれを機にきれいさっぱり処分した。
引越し業者を使うにせよ、持っていくものは吟味したい。単身赴任を始める気持ちは重いだろうが、せめて日常生活は身軽で快適にしよう。引っ越しはその第一歩だ。