500円のラーメン一杯で幸せになれる人、なれない人

Googe Mapで飲食店を探すのが好きだ。
探す対象は僕の好きな定食屋・大衆食堂の類である。
良さそうな店を見つけては週末にせっせと通い、もう一つのブログにアップしている。安くてボリュームがあってそこそこ美味い、このような良店を見つけたときの喜びは表現し難いものがある。
当然、その店のレビューも参考にする。
人気店はレビューの評価も総じて高めであるが、中には極端に低い評価もある。
たまたま味が口に合わなかったとか、何かちょっと気に入らないところがあったとか、不幸にしてそのような場面に遭遇することはあるだろう。
しかし、「この店は店員の態度が最悪、挨拶も出来ない。店が古い。ラーメンを頼んだが散々待たされた挙句、スープがぬるい。味が薄い。チャーシューも薄い。駐車場が狭い」などと、まあよくもこれだけのネガティブなことを見つけられるものだと感心してしまうような投稿もある。
その方の他の店のレビューを見てみると、やはり星ひとつとかふたつの低評価が多い。そして何故かチェーンのファミレスの評価が高かったりする。
余計なお世話だが、損してるなーと思ってしまう。
僕の理想の週末の昼飯は、朝ジョギングをして腹ペコで大衆食堂へ行く。古い食堂で、メニューはラーメンから丼から定食からオムライスまであって、店内にはテレビが点いていて、スポーツ新聞でも読みながらビールを飲んで、餃子をつまんで、締めにラーメンを食べてさっと帰る、とこんな感じである。
我ながらいいなあ、この週末の昼飯プラン。実際には歩いて行ける距離にそのような店がなかなかないので昼に飲むことはまずないのだが。
このような店に、僕は格別美味しい物を求めない。ラーメンの麺は自家製麺でなくとも良いし、メンマだって別に業務用の既製品でも構わない。
ジョギングをして腹ペコであれば、それだって本当に美味しいのである。
大体大衆食堂の醤油ラーメンなんて¥500とかせいぜい¥650くらいであろう。その価格で本格志向を求めてもそれはどだい無理というものだ。
「美味しいものを食べる」と「美味しくものを食べる」の違いを聞いたことがあるだろうか。
高級な食材を、一流の料理人が調理すれば、それは美味しい料理が出来るだろう。
しかしその料理が目の前に出された時、ものすごい心配事があったとしたらそれを美味しく食べられるだろうか。
逆にカップラーメンだって、好きな人と楽しく食べられればそれはこの上ないご馳走なのである。
我々単身赴任者、ともすれば1人の食事をネガティブに考えがちである。
しかし離れてはいるけれど、今日も家族は元気で生きていてくれた。自分もお陰様で何とか生きている。
そうやって考えれば、ひとりの食卓への思いも少しは変わってくると思う。
「しあわせは自分のこころが決める」。そんなフレーズがあいだみつおさんのカレンダーにあったなあ。
※冒頭の画像は長野市安茂里の「いちぶん」の醤油ラーメン税込¥500。ここはすべてのメニューが¥500だけど例外的にとても美味しい。