単身赴任で気になる子供への影響についての僕の考え

この間の日曜日は父の日であった。5月の母の日に比べると、どうにも存在感の薄い日である。サザエさんを見ていたら、波平さんは子供達にネクタイとベルトをプレゼントされていた。しかもその後はワカメちゃんからは肩たたき、カツオに至っては一緒の布団で寝てくれるというJKビジネス並みのサービスぶりである。

僕はこれを見て目頭が思わず熱くなった。僕の二人の娘がまだ幼買った頃、拙いお手紙や絵をプレゼントしてくれた。それを思い出したのである。

子供は子供で自分の世界を確立する

その娘達も今や高校生、幸いにしてこれといった反抗期もなく僕が帰れば素直に喜んでくれるが、もう親と一緒に喜んで出かける歳でもない。彼女らは彼女らで学校やら部活やら塾やらで自身の生活を確立しているのである。

3年前、僕が単身赴任を始めた時、娘達はすでに中学生になっており、もう親にべったりという時期は過ぎていた。我が家にとってこれは幸運なことだったと思う。これがもしもまだ幼稚園児くらいであったら大変だっただろう。子供によっては父親がいないことの寂しさ、不安から情緒不安定になったり、吃音を発するようになる子もいるという。また妻に対しても、まだまだ手のかかる子供を一人で面倒を見させることの背徳感も強かったと思う(自慢出来るようなイクメンでは決してなかったが)。

しかし他の単身赴任者のブログなんかを拝見すると、まだまだ幼い子供と若い奥さんを本宅に残し、単身赴任生活を頑張っている方も沢山目にする(夫を残して妻が単身赴任という家庭もあろうが、今回は単身赴任者は夫である、という前提で進めさせて頂きたい)。

単身赴任を始めた時、また本宅から単身赴任先に帰る時、さぞかし後ろ髪引かれる思いだろうなあと思うし、残された奥さんの大変さは察するに余りある。何より、「自分がいなくて子供は大丈夫だろうか」と心配になるだろう。

しかし、子供というのは個人差はあろうが、順応性の高い生き物である。父親が単身赴任で離れて暮らすようになって、最初のうちは寂しいだろうが、父親がいない生活もすぐに慣れてしまうのである。

離れて暮らす子供とどのように接するか

離れて暮らしている父親は、そんな子供にどのように接すれば良いのだろうか。

出来るだけ高頻度で本宅に帰れれば確かに理想だ。しかし僕を含め、さまざまな理由でそうはいかない人も多いだろう。

僕自身の考えであるが、相手が子供であっても、まずはちゃんと一人の人間として向き合うことが大切だと思う。

「父さんは一人で家を出て頑張って働く。お前にも寂しい思いをさせるが、母さんをよろしく頼むぞ」ときちんと向かい合って話せば、幼稚園児くらいの子供でもちゃんと理解して、自覚してくれるものである。子供だって頼られれば意外なほどしっかりするのである。しかし、実際にいざ何かがあれば、仕事なんかほっぽらかしてもすぐに駆けつけるくらいの覚悟は必要だ。子供が父親のそんな覚悟を感じ取れば、確かに寂しく心細いだろうが、子供は子供なりに覚悟を決めてくれるのではないかと思う。

そして、単身赴任する側も実際には寂しかったり心細かったりするが、あくまで子供には逞しく、そして楽しみながら生きる一人の人間としての親の姿を見せることではないだろうか。

幸いというべきか、今はLINE通話などお金をかけずともお互いの顔を見ながら会話できる様々なツールがある。ほんの50年ほど前であればたまに電話で話すのがせいぜいで、あとは手紙をやりとりしたり、不便な通信環境の中で苦労しながら心を通じ合わせていたのであろう。 

結局、親はなくとも子は育つ

単身赴任、確かに家族にとっては負担が大きい状況である。しかし、その負担を共有することで生まれる連帯感とか、互いを思いやる気持ちというものが生まれるのも確かなことだ。

単身赴任は仕方ない。結局は自分自身がそれを受け入れたのだから。受け入れた以上はグチグチ後ろ向きなことを言っても仕方ない。親がどういう気持ちで単身赴任と向き合っているか、子供は親の想像以上に感じ取っている。まずは自分自身の単身生活をしっかり確立して、一人での生活を楽しむくらいの図々しさを身につけよう。

親はなくとも子は育つ、とはよく言ったもので、その通りだと思う。離れて暮らしてはいるが、親は親で寂しく不便ながらも自分の人生に楽しみを見つけ、そしていざとなれば真っ先に自分のもとに駆けつけてくれる、という安心感さえあれば必ずしも子供の成長にとって単身赴任がマイナスになるとは思えないのだ。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村

Tanoyatsu

40代半ば、妻と二人の女の子を残し、長野に単身赴任中。料理・掃除大好きのおばさん力高め男子。趣味は料理の他・ジョギング・水泳・乗り鉄。数年前から断捨離・ミニマリストに興味を持ち、「モノを極力持たないライフスタイル」をゆるめに実践中。

シェアする